平成25年第3回定例会(6月)本会議で行った質問の議事録です。
子宮頸がん予防接種について
(自治事務としての定期予防接種における市の権限について)
続いて、2点目の質問に入らせていただきます。
子宮頸がん予防接種について(自治事務としての定期予防接種における市の権限について)です。
子宮頸がんは性交渉によるヒトパピローマウイルスへの持続感染により生じる子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、年間約2,700人が亡くなっています。子宮頸がん予防接種は女性を守る救世主のように言われ、本市を含め多くの自治体で無料接種が行われ、この4月1日からは予防接種法が改正され、定期接種となりました。しかし、6月14日に開かれた厚生労働省の副反応検討部会において、子宮頸がん予防接種の推奨が一時的に中止されることになりました。
予防接種を受けた後に深刻な副反応が起きていることは、さまざまなメディアでも報道されてきており、一時中止になる以前に、対象となる子どもさんがおられる保護者の方々から、接種を受けなくてはいけないのか、受けても大丈夫なのかなどの声を私も伺ってまいりました。本市におけるこれまでの接種人数、接種率、そして副反応の報告状況について、また接種率については目標値が設定されているのかどうかについてお伺いします。
次に、予防接種の勧奨、案内の仕方についてですが、積極的勧奨、消極的勧奨はどのような内容で行われているか、お伺いします。
また、接種の推奨が中止されたことによって状況が変わりましたが、接種しなくてはいけないのかという声が上がっていることから、それぞれ御自身で御判断いただくものであることをわかりやすく記載していただきたいと思います。
また、厚生労働省から接種対象者の保護者向けの子宮頸がん予防ワクチンの接種を受けるに当たっての説明という文書を見ますと、メリットが強調され、デメリットが矮小化されている印象を受けます。ワクチンの添付文書では、その効能効果として100種類以上あるHPV、ヒトパピローマウイルスのうち、6型、11型、16型、18型の感染を予防するものであり、それ以外の型のHPV感染による子宮がん、前駆病変等の予防はできないこと、接種時に既にHPV感染している場合、その排除及び進行予防はできないこと、定期的な子宮頸がん検診のかわりとなるものではないこと、ワクチンの予防効果の持続期間は確立していないことが注意事項として記載されておりますし、厚生労働委員会では感染したHPVの90%が自然排出され、残る10%についても軽度異形成の90%が3年以内に消失する報告が確認されています。こういった情報も副反応のリスクの情報とあわせて、接種を受けるかどうかを判断する際に必要なものと思いますが、自治体裁量で客観的な幅広い情報を提供することが可能であるか、確認をいたします。
最後に、副反応があった場合、その報告がどのような流れで行われているか、接種された方からの相談をどのような体制で受けておられるかについてお伺いします。
<松村俊彦保健福祉部長>
子宮頸がん予防接種について、自治事務としての定期予防接種における市の権限についての1点目、三原市内での接種人数、接種率、副反応報告についてお答えいたします。
本市では、子宮頸がん予防接種を平成23年1月から開始しております。接種人数、接種率は、平成22年度中1から高1を対象に739人、38.6%、平成23年度中1から高2を対象に1,897人、79.8%、平成24年度1,815人、81.5%で、約8割が接種している状況でございます。副反応報告の状況ですが、平成25年5月までに2件報告がありました。いずれも重篤な事例ではありませんでした。
接種率の目標値の設定についてですが、子宮頸がん予防接種は個人防衛であること、接種できるかどうかは対象者自身の健康状態にも影響されるもので、目標値は特に定めておりません。
次に、御質問2点目、対象者への勧奨内容についてですが、積極的接種勧奨として、本年4月に中1の女子生徒422人及びその保護者に子宮頸がん予防ワクチンの接種についての案内文と接種券、子宮頸がん予防接種ワクチンの接種を受けるに当たっての説明を送付しております。また、三原市に転入された中1から高1に相当する年齢の者に、接種券の交付申請手続の案内文を送付しております。消極的接種勧奨として、広報紙やホームページなどで定期予防接種の実施について啓発をしております。
議員から、接種対象の保護者向けの説明文に接種を受けるかどうかを判断する際に必要な情報を自治体裁量で客観的な幅広い情報を提供することは可能かとのお尋ねがございました。説明文にワクチンの効能効果に関する接種上の注意点や副反応のリスク等、接種を受けるかどうかを判断する際に必要な情報を掲載し、情報を提供することは可能でございます。今後内容について検討してまいります。
3点目の副反応があった場合の相談体制についてですが、子宮頸がん予防接種は定期接種に位置づけられ、副反応報告が義務づけられました。予防接種後に副反応による症状があった場合は、医療機関の医師は速やかに厚生労働省へ報告することになっております。この報告を受けた厚生労働省、国立感染症研究所等が副反応報告に関する調査を行い、関係者等は副反応報告に関する情報収集に協力することとなっております。
本市の予防接種に関する相談体制につきましては、保健福祉課並びに各保健福祉センターが相談窓口として対応しております。定期予防接種を受けた者または保護者からの健康被害に関し、相談を受けた場合などには、県を通じて厚生労働省へ報告を行う仕組みもできております。市及び医療機関が連携し、予防接種の適正な実施に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
三原市でこれまでの接種を受けられた方が4,451人ということであります。子宮頸がんワクチン、販売開始から平成24年12月末までに起きている副反応から計算をしますと、サーバリックスで3,477人で1人、ガーダシルで9,078人に1人という割合で重篤な副反応が起きております。三原で4,451人接種をされて重篤な副反応が起きてないということには安堵しております。
積極的勧奨が一時中止ということに国のほうで変わったんですけれども、これについては個別の通知を出されるかどうか、再度お伺いをします。というのが、これまでに副反応についてはテレビ、新聞などで報道されているんですけれども、まだ御存じないという方もいらっしゃいます。そういった方に対して御案内を個別にしていただければと思っております。
それから、積極的な推奨、一時中止になったのが6月14日の会議でのことですけれども、5月16日にも厚生労働省副反応部会がありまして、そちらのほうで1,968件の副反応があるという報告が出ております。その後、そういった実情が明らかになっていることが市に対してそういった連絡が来ているのかどうか、お伺いをいたします。よろしくお願いします。
<松村俊彦保健福祉部長>
再質問を2点いただきました。
1点目は個別通知についてどのような対応をされるかということでございます。
6月14日に子宮頸がんの予防接種については、定期接種の中止ではなく継続するものの、積極的な接種の勧奨を差し控えるということで、厚生労働省の健康局長から広島県を通じて本市にもありました。議員お尋ねの個別通知等につきまして、1点目といたしまして、早急にホームページに掲載し、また市広報に掲載をすることが1点と、個別通知につきましては今後検討をしてまいりたいと考えております。
続いて、5月16日の件でございますが、市に対して健康被害調査等の国、県からの通知があったかどうかというふうなお尋ねでございます。
この件につきましては、現在まで国から県及び市に対して健康被害についての調査はございません。今後、通知等がありましたら対応について検討させていただきたいと思ってます。よろしくお願いいたします。
個別通知については御検討くださるということですが、ぜひお願いをしたいと思います。
そして、既に受けている方からも相談があるかもしれませんが、相談体制をきちんとしていただきたいと思っています。実際に、私のほうでも接種後に気分が悪くなったんだけれども1日で済んだので病院へ特に報告をしなかったという方もおられます。こういった情報も全て集めて、副反応報告1,968件ということですけれども、まだこういった被害の状況をしっかり把握していく必要があるのではないかと思っております。
それから、国のほうから5月16日の時点でこういった副反応が明らかになっているけれども、連絡等については市のほうへは来ていないということであります。このたび、国の専門家が集まっての会議を経ても、今回のように定期接種化から2カ月でそれを一時中止するということになりました。専門家の皆さんが検討されてもこういったことが起きたわけで、すごく難しい判断になるかとは思いますけれども、やはり生活者に向き合う基礎自治体として、市民の健康を守るために積極的な情報収集に努められて、市民の健康を守るために尽力をいただけたらと思っております。
最初の質問で忘れておりましたが、子宮頸がんワクチンの接種率については目標設定がないということでございました。きのうの一般質問の中で、子宮頸がんの検診は三十数%目標、唯一がん検診の中で目標を達成しているということでございましたけれども、ワクチン接種が目的ではなく、やはり健康が目的であるということで、がん検診を進めると同時に、がんにかかりにくい食生活やライフスタイルについても啓発をしていただきますようにお願いをしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。