平成29年 第4回定例会一般質問 キャリア教育コーディネート事業について

平成29年第4回定例会(9月)で行った質問の議事録です。

キャリア教育コーディネート事業について

 議長の許可をいただきましたので、通告しておりますキャリア教育コーディネート事業について質問をさせていただきます。

 平成28年度の新しい事業として、小学生が本市の人口推計や地域特性などを学び、市内事業者さんの御協力を得て新商品開発を行うキャリア教育コーディネート事業が行われました。昨年の三原教育フォーラムでの子どもたちの発表を拝見しましたが、大変すばらしい内容でした。現在、事業の経過をホームページで見ることができますが、三原市内外の方にこのホームページをお知らせして見ていただくと、とても高い評価をいただいております。

 まず、この事業の内容について、そして実施に当たっての目的と成果について御説明ください。

 また、この事業を広く知っていただける機会がどうであったか、子どもたちの発表の場やマスコミでの紹介例についてもあわせて御説明ください。

 今年度も同様の事業が継続されております。今年度の内容についても御説明をお願いいたします。

 今年度から事業を行う財源として、ふるさと納税によるふるさと夢基金が充てられることになりました。今までこのふるさと納税の基金が活用されてこなかったわけですが、なぜ今回この基金が活用されることになったのか、またこの基金を活用する意義について御説明ください。

 拡充についてですが、この事業のホームページに体験した子どもたちの感想が掲載されていますが、子どもたちにとってとてもよい学びの体験になったようです。そして、子どもたちだけでなく、御協力いただいた事業者さんからもよい評価をいただいているようです。

 しかし、残念ながら、昨年で33人、ことしで22人しか体験することができていません。事業者さんの御協力が必要という前提はありますが、拡充するべき事業だと思います。現時点での考えをお示しください。

<山口秀充経営企画担当部長>

 御質問いただきましたキャリア教育コーディネート事業についてお答えいたします。

 まず、この事業の目的ですが、本市では、地方創生に関する取り組みとして食のブランド化を推進しており、その事業の一つとして、市内小・中学校と市内企業が連携し、新たな地域特産物の企画、開発、販売を行う取り組みをキャリア教育の一環として実施しております。

 この取り組みを通じ、新たな特産物の開発、販売による市の魅力向上などを図るとともに、子どもたちに対しては、本市のことをより深く学び、仕事の楽しさや意義を知り、将来の進路選択の能力を身につけてもらうこと、そして本事業を通じた郷土愛の醸成により、将来的な本市へのUターン希望者を増加させることを目指しているものであります。

 御質問1点目の平成28年度の成果についてですが、平成28年度には、糸崎小学校と株式会社八天堂が連携し、スイーツ部門における新たな地域特産物の開発に取り組みました。具体的には、本市の人口推移や地域特性などを学ぶ出前授業、企業見学や商品づくり体験を通じた企画アイデアの検討と商品化、そして道の駅みはら神明の里での販売体験などを行いました。結果として、新たなくりーむパン・チョコバナナが誕生し、本年8月までに3万9,000個余りが市内外で販売されたところであります。

 事業後に実施したアンケートの結果によりますと、学校側の感想としましては、児童の変化として、コミュニケーション能力や情報収集、分析力が伸びた、発表の機会を通じて自信を持って表現する力が身についてきたという御意見をいただき、また郷土理解や郷土愛を深めることにつながる、児童の自信を伸ばし、夢や希望を持って活動することにつながるといった評価をいただいたところです。

 また、事業者からは、小学生とのコラボ商品という付加価値がつくことで販売しやすい商品となった、将来こうなりたい、こんなふうに活躍したいと思えるきっかけをつくることも企業としての責任などといった感想があり、これらからも成果があった事業と捉えております。

 また、事業を広く知っていただく機会については、専用のホームページを開設し、市や企業のホームページを通じて進捗状況の周知を図ったほか、新聞各社やテレビ関係でも報道していただき、情報発信ができたところであり、子どもたちの発表の場としましては、企画アイデアのプレゼンテーションや歌とダンスによる販売プロモーション活動、三原教育「希望と未来」フォーラムでのステージ発表などが行われたところであります。

 御質問2点目の平成29年度の現状についてですが、連携企業の幅を広げるため、食に関する事業者などに参加希望調査を行うとともに、具体的な実施内容や全体スケジュールなどについての意見交換を行い、幸崎中学校とラーメン康との連携による三原らしいラーメンの企画、開発、販売に向け取り組みが進んでおります。

 現在、生徒たちのアイデアを盛り込んだ商品開発が進められている段階でありますが、その過程では市内企業同士のつながりが生まれつつあり、新たな経済活動が創出されることにも期待をしているところであります。

 御質問3点目、ふるさと夢基金を充てる意義についてですが、これまで市としても基金の活用事業を検討してまいりましたが、今回この事業がふるさと三原のことをより深く学ぶことによる郷土愛の醸成や仕事をすることの楽しさや意義といった職業観の習得を目的としており、ふるさと夢基金を充当する事業として想定しております子どもたちの健やかな成長を応援する事業に合致すると考えられることから、基金を活用させていただき、この事業を実施することといたしました。

 この基金を活用することで、市としては、寄附していただいた皆様に対し、本市の未来につながる取り組みに使用させていただいていることをお知らせすることができるとともに、子どもたちにとっても、多くの人たちに支えられこうした体験をすることができているということを感じてもらえるところにこの基金を活用する意義があるものと考えております。

 最後に4点目、拡充の可能性についてお答えいたします。

 キャリア教育自体は、現状の小・中学校のカリキュラムにおいても、子どもたちの発達段階に応じた取り組みが行われているところでありますが、本事業はその取り組みの中における地方創生の視点から実施できたものであります。これまで2年間の取り組みの中で、子どもたちの成長や企業における子どもを育んでいく意識の醸成、新たな経済活動の創出といった成果も見られたところです。

 一方で、事業内容から大規模な取り組みは難しく、事業にかかわることができる児童・生徒や企業が限定的になることなどの課題も見えてきました。

 市といたしましては、子どもたちの三原への愛着醸成などに向け、より効果が高い取り組みについて模索するとともに、本事業の今後の展開についてもあわせて検討してまいりたいと考えているところです。

 御答弁いただきました。子どもたちにとっても事業者さんにとっても成果があったことを御説明いただきました。

 私、注目しておりますのは、出前授業によって、三原市の人口推計であったり三原市の特性などを子どもさんたちが学んでこられたこと、クリームパンの新商品開発ですが、単に自分の好みということではなく、心に残る味ってどんな味だろうということを考えたということもホームページのほうに書いてありました。こういう活動もあったことが、御説明の中にありましたように、分析力や情報収集能力が上がった、議論する力、コミュニケーション能力が上がったなどの成果につながったものと思い、なるほどと思っているところです。

 子どもたちにとっては、みずから考えて、生み出して、学校の外の社会に影響を与えられたということは、大きな力、大きな自信になったのではないかと感じております。

 新聞やテレビでもこの事業を取り上げていただくなど、広く発信もできたようです。これをさらにより多くの方にこの事業を知っていただく機会をつくるべきだと考えております。

 ふるさと納税の寄附をしてくださった方々に対して、基金活用の報告と、継続して支援をお願いしたいことをお伝えするにとどまらず、新たな寄附を募る際にも、御寄附の活用例としてこの事業が目に触れる、知っていただける機会をつくる必要があるのではないでしょうか。

 ふるさと納税をする目的として、商品目当ての寄附から、地域貢献ができることを目的にする人が徐々にふえてきています。三原市の魅力的な商品も、もちろんふるさと納税の寄附のモチベーションにつながっていることと思っておりますが、さらに寄附をいただくことを通じてこんなことが可能になるということを目に見える形でお伝えすることも大切だと思っております。

 また、子どもたちにとっても、多くの人の支えによる学習体験であることを感じてもらいたいとのことです。他市の例ですが、ふるさと納税の寄附を地域協議会として活用できるようにすることで、地元の人が市外の親戚や知り合いにふるさと納税のお願いをするようになったという例もありますので、このキャリア教育事業にかかわり、評価してくださる皆さんに、ふるさと夢基金の活用であることをぜひお伝えいただきたいと思っております。

 多くの方にこの事業を知っていただくことについて再度お伺いします。

 拡充についてですが、事業の成果があるものの、課題もあり、今後の展開を検討していくとのことです。先ほど申しましたとおり、一緒に取り組んでくださる企業さんが必要という前提がありますので、難しいことがあるかとは思いますが、3つの視点から拡充について質問させていただきます。

 1つ目は、三原食ブランドの枠を外して、幅広い事業分野でのキャリア教育を実施していただきたいということです。食は、子どもたちにとっても身近で考えやすいものではありますが、全国的に開催されております高校生以下を対象にした政策アイデアコンテストやビジネスプランコンテストでは、熱中症予防として室内温度を警告するシステムを考えてつくったり、観光プランを考えたり、地元のイベントをより盛り上げるために子ども目線で考え提案するなど、さまざまな幅広い企画が出されています。三原食ブランドの枠を外すことで御協力いただける企業が広がる可能性がありますので、ぜひ事業分野を広げて取り組んでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

 2つ目は、さまざまな事業分野の中でも、特に情報技術、IT分野でのコラボレーションを実現していただきたいということです。これは、将来の職業選択の幅を広げることにつながると思っております。世界の株式時価総額上位5位までのアップル、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムは、いずれも情報技術、IT分野、またITを生かした事業展開で、ITは今やなくてはならない技術になっています。また、人工知能や物のインターネット化、仮想現実など、大きな発展、成長がこれから期待される分野でもあります。2020年からは小学校の教育課程でプログラミングが導入されます。授業として触れるだけでなく、実際に何かを生み出すことができ、情報技術の可能性を体験することで、職業としての選択肢にもつながるものと考えます。

 キャリア教育事業としての対象分野を広げていただくとともに、ぜひIT分野での実施をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 3つ目の拡充の視点は、コーディネート事業の主体者についてです。

 現在は、市外の大手企業さんへの委託によって実施されていますが、ノウハウの蓄積ができれば、三原市内の事業者さんに担っていただきたい。市内事業者さんに担っていただくことで、より幅広く充実したコーディネートが実現できるものと考えますが、いかがでしょうか。

 以上、再質問しますので、よろしくお願いいたします。

<里村学総務企画部長>

 ふるさと納税の寄附者への事業周知について再質問をいただきましたので、私のほうからその点を答弁させていただきます。

 みはらふるさと夢基金を活用する事業につきましては、子どもたちの健やかな成長を応援する事業、ふるさと三原の自然環境を守る事業及び三原市の夢ある発展のための事業のいずれかに該当する事業であることを前提に、その中でも本市の魅力向上に高い効果が認められる事業を優先して選定することとしております。これは、基金を活用して実施した事業について広く情報を発信することで、さらに本市へ支援していただけるようにとの考えに基づいたものであります。

 基金を活用する事業は、本年度初めて実施するものでありますが、今後実施した事業の内容をホームページ等により広く発信することで、より多くの方に本市の取り組みや魅力を紹介し、本市へのさらなる支援をお願いしてまいりたいと考えております。

<山口秀充経営企画担当部長>

 拡充の可能性について再質問を3点いただきました。

 まず1点目、三原食ブランドの枠を外して、幅広い事業分野で実施してはどうかについてお答えいたします。

 キャリア教育自体は、現状の小・中学校のカリキュラムにおいても既に取り組みが行われているところであります。小学校においては、基礎的・基本的な生活習慣や、将来に夢を持つことなど、発達段階に応じた見方や行動の仕方について、各教科や総合的な学習の時間の内容と関連づけながら学習を進めており、中学校においては、社会におけるみずからの役割や将来の働き方などについて考え、目標を立てて計画的に取り組む態度の育成等について、体験を通じて理解を深め、進路の選択、決定へと導くことを目標とした取り組みを実施しております。具体的には、キャリアスタートウィーク事業や企業から学校に出向いていただき話を聞く授業などを設けているところであります。

 キャリア教育コーディネート事業は、こうした既存の取り組みを基盤としつつ、地方創生の事業の一つである三原食ブランド化の一環として、地域特産物の開発とキャリア教育とを連携させたものであります。このため、本市の総合戦略期間中の平成31年度までは三原食ブランド化と一体的に実施し、その成果を見ながら今後の取り組みを検討してまいりたいと考えております。

 次に、2点目のさまざまな事業分野の中でも特に情報技術、IT分野での実施についてですが、今後の教育におけるIT分野の重要性は十分認識しているところでありますが、国の有識者会議においても、小学校段階におけるプログラミング教育の影響、あり方などについて現在検討が行われているところであり、この検討状況を見ながら取り組んでいくことが必要と考えております。

 最後に3点目、キャリア教育コーディネート事業の主体者についてお答えいたします。

 本事業におけるコーディネーターの役割は、新たな地域特産物となる商品の企画から開発、販売に至る全過程において、学校や企業、関係機関等との仲介と授業内容の立案などの調整を行うものであり、事業者につきましては公募型プロポーザル方式により提案を審査した上で決定しているところであります。

 今後の委託先につきましては、本事業のノウハウが市に蓄積されることにより市内事業者が主体となることも考えられるため、当面事業を継続する間に今後の方向性を検討してまいります。

 いろいろ難しいことを御答弁いただきました。

 これまで学校教育の一環でキャリア教育を実施してこられているところで、今回こういった新たな形で、地方創生を視点としたキャリア教育事業がことしで2年目、2校目となるわけですので、まだ試行錯誤の段階であろうかと思っております。

 これまでの学校としてのキャリア教育は、児童・生徒個人の資質向上に重点が置かれたものであったのが、地方創生の視点が加わったことで、子どもたちに三原の企業や三原の特性を知ってもらい、三原に住む、三原で働くことにつなげていきたいという目的が加わったと理解しております。

 そこで、再々質問ですが、平成31年までこの事業を続けていかれる間に、市内事業者さんの意見も聞きながら、教育委員会や経営企画課と一緒に、本市においてどのようなキャリア教育を目指していくべきか検討していただけないでしょうか。担当課でのPDCAサイクルの一環での検討でも結構ですが、2年後に三原らしいキャリア教育の姿が見えてくることを期待いたしますが、いかがでしょうか。

 私がこの事業を重要であると考える理由を2つの事例を御紹介しつつ申し上げたいと思います。

 1つは、平成26年12月議会でも御紹介させていただいた北海道十勝郡浦幌町の事例です。そのときに紹介したのは、うらほろスタイルという地域づくり、まちづくり計画の実践例で、地域への愛着を育む事業が効果を上げていることから、本市の三原ふるさと子ども博士講座の拡充を求める際に引用させていただきました。

 うらほろスタイルふるさとづくり計画の愛着を育む事業、子どもの想い実現事業によって、浦幌町に住み続けたいという子どもたちは確実にふえたものの、課題は仕事でした。子どもたちの中に育まれた地域への愛着、誇りに対して大人が責任をとっていくために、若者の雇用創造事業検討会議が生まれ、現在若者の仕事創造事業が具体的に動き出しているところです。初期の段階からここまでのプロセスには、役場はもちろん、教育委員会、子ども、保護者、地域住民、地域の農林水産業や商工会など多様な担い手の協力によって進められてきました。この取り組みに成果が見られることから、文科省が注目し、浦幌町でこのうらほろスタイルを進めてきた小さな会社に文科省が委託をして、学校の総合マネジメント力の強化に関する調査研究として、「地域みんなで子供たちの未来を考えるワークショップのすすめ」という冊子がつくられたところです。

 余談になりますが、特殊出生率についても、出生率が低い北海道にあって、またさらに低い傾向にある十勝郡にあって、この浦幌町の出生率が伸びているということ、そして十勝郡で唯一北海道のトップテンに入ったこともあり、北海道庁もこのうらほろスタイル計画と出生率の伸びの因果関係に注目をしていると聞いております。

 本市においても、小学校、中学校が地域活動に参加され、地域の伝統文化の担い手を育まれ、子どもたちの地域に対する、三原市に対する愛着、誇りを育んでおられることはよく承知をしております。しかし、地域産業とのつながり、協働はまだ弱いように感じております。事業者さんのお話を聞くキャリア教育の講演や職場体験などから一歩踏み込んだ、子どもたちと一緒に考えつくり出していくプロセスをキャリア教育に盛り込むべきだと感じております。

 もう一つの事例は、地方創生でよく話題になる島根県隠岐郡海士町です。高校のことを少しだけお伝えします。

 10年ほど前、統廃合による消滅の危機にあった島根県立隠岐島前高校、島唯一の高校が、今は国内外から生徒が集まるようになっており、平成22年の第1回観光甲子園のグランプリに輝いたり、昨年度のソーシャルイノベーター支援制度の最優秀賞に輝いたり、高校卒業とともに大学進学などで島を出る際に、帰ってきて町長になると宣言をしていく子がいたり、海士町で大きな役割を果たすようになった公立高校です。そこにこの春、リクルートキャリアの代表取締役をされていた方がかかわることになり、その際におっしゃったことが印象に残っております。企業の採用の現場で社会の求める資質と学校教育が与え得るものの隔たりを感じていたという内容です。

 文科省関係の審議会で初めてキャリア教育という言葉が登場したのが平成11年、その後の研究を経て、平成18年の教育基本法改正に、職業及び生活との関連を重視することなどが教育の目標に位置づけられました。しかし、キャリア教育に対する各学校や各教員の認識のずれも指摘されるところです。

 三原の小・中学校で学ぶ子どもたちが将来三原に住んで働きたいと思ったときにどんな選択が可能なのか、その選択肢をふやすためにどんなことができるのか、平成31年までのキャリア教育コーディネート事業を通して三原らしいキャリア教育を考えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか、再度質問いたします。

<山口秀充経営企画担当部長>

 再々質問をいただきました。今後どのようなキャリア教育を目指していくべきかについてお答えいたします。

 キャリア教育は、学習指導要領に基づき、総合的な学習の時間や特別活動を中心に、各教科と関連させて各学校におきまして計画的に実施しております。こうした中、今回の取り組みは、地方創生をきっかけとして、特産物の開発を通じた産業振興とキャリア教育がつながり、企業と学校のコラボレーションによる特色のある取り組みができたところであります。

 今後につきましては、まずは子どもたちの将来にとって、よいキャリア教育が受けられることが目的であり、今回の地方創生におけるキャリア教育コーディネート事業というやり方だけにこだわるのではなく、これからも検討し、向上させていくべきであると考えております。

 先ほども御説明いたしましたように、課題もあり、まずは現在の取り組みを来年度以降いかに進めるかをしっかり考えていくとともに、事業形態にとらわれることなく、多面的な観点から方法や内容について検討をしてまいります。

 キャリア教育の定義を見ますと、一人一人の社会的、職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育と定義がされているようです。この定義からすると、学校教育の全てがキャリア教育であると言えるのかもしれません。ですが、実社会、私たちが暮らすこの社会と学校教育のつながりをより一層意識したもの、そしてその実社会というのがこの三原のまちであるということを意識していただいて、キャリア教育事業を引き続きよりよいものにしていただきたいと思っております。

 この事業のやり方にこだわらず、多面的な観点から検討されるということです。私もそうするべきだと思っております。

 その中で大事にしていただきたいのは、やはり子どもたち自身が考えて、生み出して、学校の外の社会に影響を与えるということが子どもたちにとってどれほど自信に、力になっていくか、そういったプロセスをぜひ盛り込んでいただきたいと思っております。

 それから、IT分野、プログラミングに関してはさらっとした御答弁をいただきました。また別の機会にも御質問させていただきたいと思ってるんですが、三原市教育委員会として、現在プログラミング教育はどの程度の検討がされているのかがわかりません。このプログラミング教育はIT人材を育成することではないと言われていることも承知しております。論理的思考力を培うことであったりということで、私自身もITにつなげるIT人材の育成だと思っているわけではありませんが、だからこそ、表層的に、表面的に授業でその技術を学ぶということではなくて、その技術が実社会の中でどういう役割を果たし、どういう可能性を持っているものなのか、しっかりそこまで感じていただけるプログラミングの授業のきっかけにしていただきたいと思っております。

 それから、プログラミングを導入することとあわせて、より一層人間教育が大切になるということを言われているのも承知しております。その点に関しては、また機会を改めて提案をさせていただきたいと思っております。

 キャリア教育コーディネート事業、本当に大切な事業だと思っております。キャリア教育という場面だけではなく、これからの地域を考えていく教育の一環に位置づけていただけるようなものにしていただけるようお願いをして、質問を終わります。