平成29年 第3回定例会一般質問 市長等の政治倫理条例の制定について

平成29年第3回定例会(6月)で行った質問の議事録です。

市長等の政治倫理条例の制定について

 それでは、3項目めの質問に入らせていただきます。

 市長等の政治倫理条例の制定についてです。

 市長等の政治倫理条例を制定することを提案させていただきたいと思っております。政治の透明性を高め、市民の皆様の信頼を確保することを目的とする条例です。

 公務員の皆さんは、全体の奉仕者として職務に当たることを宣誓された上で職につかれます。本市においてもその例外ではなく、三原市職員の服務の宣誓に関する条例の中で、宣誓書に署名してからでなければ、その職務を行ってはならないとされております。しかし、特別職についてはこのような宣誓は行っておりません。市民全体のことを考えるべき地方自治体の首長、議会議員、そのほかの特別職に当たる者が、その公的な立場を利用して自分自身や第三者の個人的な利益を実現しようとすることを防ぐのが政治倫理条例です。

 三原市議会では平成25年10月に三原市議会議員政治倫理条例を制定しましたが、市長を初めそのほかの特別職の皆さんについても、守るべき政治倫理基準を明確にされるべきではないでしょうか。特別職の範囲については、他市の事例を参考に市長、副市長、教育長を想定しております。市長の見解を求めますので、よろしくお願いいたします。

<里村学総務企画部長>

 御質問いただきました市長等の政治倫理条例の制定についてお答えをいたします。

 政治倫理条例は、大阪府堺市において市長及び市議会議員を対象につくられて以来、全国市議会議長会の調査によりますと、平成27年12月31日現在、339の市において条例が制定されております。条例の対象につきましては、市長及び市議会議員とするか、市長のみとするか、市議会議員のみとするか、地域的な差異があり、広島県内各市の状況は、三原市を初め10市で議員のみを対象とする条例が制定されておりますが、市長や副市長などの特別職公務員を対象としたものは呉市のみであります。

 日本国憲法では、一般職であろうと特別職であろうと公務員にとっての根本基準として、すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと規定されており、選挙を通じて市民に選ばれた者も、公務に臨むに当たって、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行するという考え方を踏まえることとされております。

 この考え方を補完し、職務を誠実に執行していくための制度として、市長については、政治倫理の確立のための市長の資産等の公開に関する条例での資産公開や、公職選挙法に規定されております実刑判決を受けたときの失職、地方自治法に規定されております兼業禁止、解職請求制度、議会によります執行機関監視制度並びに監査委員制度といった仕組みが整備されております。したがいまして、市長等の政治倫理条例につきましては、これらの諸制度や関連法との整合性、他の自治体での制定事例などを踏まえ、総合的に研究してまいりたいと考えております。

 総務企画部長からお答えをいただきました。

 関連法などとの整合性、具体的にどういった倫理基準を設けるべきかといった面では、職員の皆さんに調査研究していただくことになるんだろうと思っておりますが、つくるつくらないということに関しては、市長の思いであったり市民からの要請であったりということになるものと考えます。やはり市長のお考えを伺いたいと思いますので、再度お尋ねいたします。

 また、兼業禁止について御答弁の中で触れられました地方自治法で規定されており、政治倫理のための仕組みが既に整備されているということで、地方自治法第142条普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人または主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役もしくは監査役もしくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができないとされるものです。これをもう少し踏み込んで政治倫理条例の中に位置づけることも今回提案させていただきたいと思っております。

 例えば千葉市長の政治倫理に関する条例では、市長が実質的に経営に携わっている法人または市長の配偶者もしくは扶養する親族が経営する法人は、地方自治法第142条の規定の趣旨を尊重し、市等との請負契約等を辞退するよう努めなければならないという項目が盛り込まれています。

 政治倫理条例の実効性を支える要素はさまざまありますが、この請負の部分についての御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

<天満祥典市長>

 安藤議員の再質問にお答えをいたします。

 政治倫理に対する私の向き合い方としては、平成25年に三原市議会議員政治倫理条例の提案理由を議員の代表者が説明された際の、市民の信頼と負託に応えるためより高い倫理観と識見を持ってという姿勢や、みずからの行動を厳しく律し政治倫理の向上に努めなければならないという規律保持に対する見解と、いささか変わるものではございません。

 ただし、この前の選挙中には少し条例違反の方々もいらっしゃったんでないかと思っております。

 これは私の推測でございますが。政治倫理の確立と保持、そして向上の必要性は十分に感じておりますが、事務方からもありましたように、条例については議員御提案の工事請負契約に関する事項を初めとしてさまざまな点から研究する必要もありますので、いましばらくお時間をいただければと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 地方公共団体の事務や事業に影響力を持つ立場にある者として、個人として持つ利害関係から市民の皆さんから不信や疑惑を招くことがあってはなりません。三原市議会として議員政治倫理条例もありますので、市長としても、市長等特別職の政治倫理条例もぜひつくっていただきたいと思っております。

 人口減少という地方を襲う大きな波の中に三原市もあります。その中で移住定住を進めていこうと、市長を初め職員の皆さん、そして議会の議員も、そして市民の皆さんも、キャリア教育授業の中では小学生、中学生も、この人口減少ということを勉強して取り組んでいただいている、そうやってみんなで力を合わせていこうとしているところです。三原に住もう、三原に住みたいと思っていただくきっかけはさまざまあると思います。そして、三原に住み続けたいと思っていただくのは、やはり行政としての信頼性を高めていくこと、政治の透明性を高めていくこと、そうやって市民の皆さんの信頼を確保していくことが必要なんだと思っております。

 市長におかれましては、ぜひこの政治倫理条例の制定についてどうか形にしていただけるようにお願いをして、質問を終わります。