平成29年 第3回定例会一般質問 不燃物処理工場の新設整備について

平成29年第3回定例会(6月)で行った質問の議事録です。

不燃物処理工場の新設整備について

 それでは、続きまして2項目めの質問に入らせていただきます。

 不燃物処理工場の新施設整備についてです。

 ことしの1月30日に議員全員協議会で不燃物処理工場を新しく建てかえることについて説明があり、平成29年度予算では調査費用、計画費用が計上されております。平成31年度には完成予定ということで、拙速に取り組まれる印象を持っております。

 この施設を新しく整備する費用については24億8,000万円程度になる見込みであると、その財源内訳とともに御説明いただいていますが、今回質問をしたいのは、施設の維持管理や運営に係るランニングコストの部分です。案として示していただいている内容では、新たに資源ごみとして収集する項目をふやすことも考えられているようです。ということは、収集にかかる費用がふえるのではないか、また、施設で行う中間処理にかかる費用がふえるのではないかと考えるわけです。

 今の段階でこの費用の試算はできないと思いますが、今後整備計画をつくる過程で、ランニングコストが今より大きくなるのかどうか。今よりもふえるのであれば、その費用は衛生費の中で賄っていける程度のものなのか、市財政全体に影響があるのか、場合によっては市民の皆様への負担をお願いするつもりなのかということを明らかにしていただきたいと思っています。整備計画でその点を示していただくことは可能でしょうか、お伺いします。

 また、収集体系の見直しをされ、ごみの出し方が変わる可能性もあると思うのですが、市民の皆様の声を受けとめ、反映していく機会をどのようにつくっていかれるのか、お伺いいたします。

 まず施設整備の概要から御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

<平岡雅男生活環境部長>

 不燃物処理工場の新施設整備についてお答えをいたします。

 不燃物処理工場の新施設の整備については、概要ではございますが、処理能力日量20トン、総事業費約25億円を見込んでおり、現在の三原市清掃工場の敷地内に整備する予定としております。具体的な処理フローや設備の内容については、今年度、基本計画及び基本設計の中で検討してまいります。

 また、この新施設においてより効率的な処理を行うためには分別収集体系の見直しも必要となるため、できるだけ市民の皆さんが分別しやすく、ごみが出しやすくなるよう、収集の利便性の向上につながる検討を始めてまいります。整備に要する経費や整備後の処理コストを可能な限り抑えながら、効率的な収集と処理ができる施設を目指してまいりたいと考えております。

 新施設での処理に係るランニングコストについては、これから詳細に検討してまいりますけれども、システムのオートメーション化による作業人員の削減など、効率的な処理を行うことによるコスト削減とともに、設備及び建物の維持管理に係る経費や新たな収集運搬体系によるコストの増も予想されますけれども、極力抑える方向で検討を行います。

 また、これによる住民の皆さんへの処理経費などの負担の増については、現在導入しております燃やすごみの有料袋の考え方として、燃やすごみの排出量を極力抑え、無料である不燃ごみとして出していただき、リサイクルを促進するという狙いがございますので、不燃物処理工場の新設により不燃ごみの排出に係る有料制度の導入等は基本的には伴わない方向で考えております。

 次に、この不燃物処理工場の移転と新施設の整備を行う理由は、現施設が抱える課題の早期解消があります。現在の施設は、設備面での作業の非効率さに加え、作業環境の劣悪さや屋外作業を伴うためのごみの飛散など周辺環境への影響があり、昭和49年開設であるため、施設の経年劣化も進んでおります。

 また、不燃物処理工場に搬入されるごみのうち約3割程度は燃やすごみとして、もしくは埋立ごみとして清掃工場に搬入をされており、御家庭からの直接搬入の際にも不燃物処理工場では全てをお受けできない場合もあります。このたびの新施設整備によりこれらの課題の解消を見込んでおり、清掃工場との効果的な連携や搬入等のワンストップ化を図り、一体的な一般廃棄物の搬入と処理による利便性と処理効率の向上につなげてまいります。

 さらには、リサイクルの推進により燃やすごみの減量化や、これによる市民の財産である有価物の増産も期待をしており、環境にこれまで以上に配慮できる施設を目指します。加えて、本事業は大きな財政的な負担が伴いますので、厳しい財政状況の中、少しでも有利な財源を確保する必要があり、合併特例債の充当を見込んでおります。このためには平成31年度までに事業を進める必要があります。このようなことから、不燃物処理工場の新施設整備については先送りをせず、お示ししております計画に沿って取り組む必要があると判断をしております。

 今回の事業は日々の生活に直接影響があることから、住民の皆さんの御理解が最も必要であると認識をしております。設備の内容等については専門的な知識も必要となりますので自由に御意見をいただくことは難しいと考えますが、計画の段階から説明や御意見を伺う場を極力設けてまいりたいと考えております。

 ランニングコストについて、もう少し詳しく伺いたいと思います。

 コストがふえることもあるかもしれないが極力抑える方向であるというような御答弁だったかと思います。それは当然そうではないでしょうかと思うわけなんですが、こういう大きな施設整備の事業提案のときには、これだけではなくて、整備するときの初期費用についてはこういう補助制度があって、これだけ交付金が入ってきて、起債額が幾らでという御説明をいただきます。

 しかし、維持管理や運営に係るランニングコストの部分は大まかにはお知らせいただくものの、その財源がどこから充てられるのかということまでなかなかお示しいただいていない現状だと思っております。ですが、長期にわたって毎年必ずかかる固定費となるランニングコストのほうが、財政を考えるとボディーブローのようにきいてくるんだと思っております。

 今回の不燃物処理工場の新施設整備に関して、今現在の施設と同じランニングコストで済むのであればこの心配はないわけですけれども、もし今よりも高くなるのであれば、その差が衛生費の中で吸収できる程度のものなのか、市財政全体から絞り出さなくてはいけないような金額になるのか、それとも市民の皆さんに新たな負担をお願いしなければならないのか。

 先ほどの御答弁では、すぐに負担をお願いするということではないけれども、長期的に財政の厳しさを考えるとというような御答弁もありました。そこを、すぐには上げませんよというお約束ではなくて、長期的に見たときに市民の負担がどうなっていくのかということも含めて、この計画、設計を出される段階でそういった見通しも出していただきたいと思っております。

 これから計画、設計をつくられるわけですが、その中で今申し上げたようなことをきちんと提示していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。再度お伺いいたします。

<平岡雅男生活環境部長>
ランニングコストについて、ふえるのか、ふえたときには衛生費でそれを賄うのか、いやいや、市全体のほうに影響が及ぶのかと。そしてまた、すぐには有料化ということはないけれども、長期的に見て有料化ということもあり得るのかといったことだと思います。

 平成29年度、今年度、不燃物処理工場については、基本計画、基本設計を行います。その中でどういった施設にするかというのを決めた段階で、そのランニングコストというのはわかるということになります。

 そして、そのランニングコストの経費を賄うのはやはり衛生費、この中で行っていきたいというふうに思います。そして、もしふえるのであればどうするのかということになりますけれども、このコストと環境への配慮というのは二律背反ということになるんですけれども、その環境に対してやらなければならないというふうに判断をすれば、コスト増もやむを得ないのではないかというふうに考えております。

 そうした場合には、そのほかのものについて経費を削減していくといったことが基本になるというふうに考えております。そのランニングコストがどうなるのかということについて積算できることになれば、また御報告をしてまいりたいと考えております。

 環境に取り組むにはコストが必ず発生するので、そこをどう捉えるかという御答弁もあって、私自身、環境問題に長年取り組んできたこともありまして、本当に環境には取り組んでいかなくてはいけないという思いを持っております。ただ、やはり三原市としてやることについては、市民の皆さんの納得をいただきながら進めていくということが大変重要であるとも考えております。

 今、ランニングコストはどうなりますかということを申し上げておりますが、もう一つ気がかりなのは、公共施設等総合管理計画のほうで三原市が持っている公共施設の総面積を35%減らすと言ってるわけですが、今現在、この施設は組合が所有しているものですよね。そこが市の所有になるということで、この公共施設等総合管理計画のほうにもどういう影響が起きてくるのかということも心配しております。

 そして、施設更新費を年額15億円減らしていくと、この公共施設等総合管理計画の中で言っているわけですけれども、この不燃物処理工場が初期コストの部分でも15億円減らすと言ってるところにこの施設整備が入ってくるというのが、どういう影響になっていくのかということも心配しております。

 そういった衛生費の部分だけではなくて総合的に見ていかなくてはいけない視点がたくさんありますので、そういったこともあわせて計画、設計を示される段階で出していただきたいと思っております。できることになればというような御答弁だったんですが、こういったコストをシビアに見ていくということをやらないと、本当に財政の今の厳しさを、先行きを考えると心配なので、ぜひともこれはきちんと出していただきたいと思っております。

 そして、今年度基本計画・設計をつくられて、また議会のほうへ御提示いただくことになるわけですけれども、その段階で私としては、市財政として耐え得るコストなのかということや、市民の皆さんの理解が得られるプロセスをちゃんと経ていただいているのかということや、時代に合ったものか、これ今環境のリサイクルに関しても物すごく技術革新が起きているところです。

 つくったはいいけれど、つくった途端に時代おくれということではまた困るので、20年、30年使っていかなくてはいけないものですから、ちゃんと時代に合ったものができるのかという、私は3項目、この点をしっかり計画、設計が出た段階でチェックをさせていただきたいと思っておりますので、その点を考慮して計画、設計をつくっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。