平成28年 第7回定例会一般質問 事業レビューについて

平成28年第7回定例会(12月)本会議で行った質問の議事録です。

事業レビューについて

 議長のお許しをいただきましたので、通告しております件につきまして質問をさせていただきます。

 まず、事業レビューについてです。
3年目、3回目の事業レビューが行われました。本年度の実施内容は、外部の視点による事業の点検、施策そのものの方向性の議論、そして実施目的は施策の改善とされておりました。

 まず、1点目の質問ですが、1回目から全て事業レビューを傍聴させていただきまして、その都度一般質問もさせていただいておりますが、回を重ねるごとによくなってきていると感じております。これまでの2回を踏まえて、今回事業レビュー実施方法にどんな改善を加えられ、本年度の成果はどうであったか、お伺いします。

 2点目です。
昨年までの事業レビューについては、評価者から指摘を受けたことや市民判定者の意見をもとに事業及び施策の見直しをされ、三原市事業レビュー点検結果として、ことしの3月に公表されています。この中で示された事務改善方針について、どのような進捗状況なのか、またその進捗をフォローしていく体制はどうなっているのか、お伺いします。

 3点目です。
事業レビューによってすぐに大きな効果があらわれるのはなかなか難しいものだと思っております。大きな効果を出すようなやり方も他市の事例としてはありますが、その場合はその反動が大きく出ることもあるようです。
 本市の場合は、職員皆さんの意識を変えることによって、徐々にその効果があらわれていくような進め方をされていると受けとめております。来年度以降も引き続き事業レビューを継続して行うべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 4点目です。
市民判定者皆さんの活躍の場については、昨年の事業レビューの後の一般質問でも提案させていただき、市政情報の発信、ワークショップなどへの参加呼びかけなどをされるとのことでした。この点について、どのような対応をされ、その結果、どうであったか、お伺いします。

<山口秀充経営企画担当部長>

 御質問いただきました事業レビューについてお答えいたします。

 1点目の今年度の成果につきましては、まず実施方法の昨年度からの改善点として、事業レビュー実施前に全所属の予算担当職員に対し、事業レビューの意義を共有する研修を行うとともに、事業レビューの対象となる課に対して論点の調整を行う場を持つなど、事前準備を強化いたしました。また、事業レビュー当日は、先に個別事業の点検を行い、その結果を踏まえ、施策全体の課題を議論する進行に改めたところです。

 これらにより、成果としては、職員の事業レビューに対する理解が進み、事業を目的から見直すなど、職員の意識改革の面でも一定の前進があり、また当日の議論では論点が明快となり、事務改善に向けた有意義な指摘が数多くあったものと考えております。

また、市民判定者が参加しやすい環境とするための改善策として、2日間の日程で午前、午後に分けて出席できるよう変更しましたが、市民判定者の応募率は昨年度と変わらず低かったため、引き続き改善が必要と考えております。

 2点目の事務改善の進捗状況ですが、本年度の事業レビューについては、現在、点検結果を踏まえて各課において改善内容を整理している状況で、新年度予算への反映状況を踏まえて、過去の事業レビューにおける事務改善の結果とあわせ、2月ごろに公表する予定であります。

 事業レビューにおける指摘事項の中には、中長期的な取り組みとなるものもあり、進捗状況をフォローしていく体制として、制度設計を担うまちづくり戦略検討会議への報告のほか、定期的に進行状況に関する庁内調査を実施し、引き続き適正な進行管理に向けて取り組んでまいります。

 3点目の継続実施についてですが、過去の検証を踏まえ、事前準備を強化し、評価者と説明員の双方で事業レビューの意義、目的の意識共有が進み、対話型の議論が展開されたことで行政活動の点検作業が市民にとって身近に感じられるようになり、市民判定者から市政に対する理解と関心が深まったという声をいただきました。職員の参加意識も前向きに変化してきており、引き続き来年度も実施し、より大きな効果を目指したいと考えております。

 4点目の市民判定者の活躍の場については、昨年度の市民判定者に対し、今年度も参加を呼びかけたほか、新庁舎建設のワークショップ等への参加を案内し、数名参加されたと確認していますが、さらなる市民参加に向け、引き続き活躍の場の拡大に取り組んでまいります。

 対話型の議論の場であったとおっしゃっていただきました。昨年も傍聴させていただく中で、対立するような緊張する場面もあったんですけれども、本当にことしは和やかに議論が進んで、すごくいい雰囲気で、いい意見が出たように感じております。

 再質問させていただきたいと思います。改善方針のフォロー体制についてです。

 現在のフォロー状況は、まちづくり戦略検討会議へ報告をされるほか、定期的な庁内調査をしておられるとのことです。市として、目標のある計画や方針などさまざまあるわけですけれども、その進捗管理機能が組織全体として弱いのではないかと私は感じております。先ほど事業レビューが回を重ねるごとによい形になっていると申し上げました。レビューに向き合う意識が事業に携わる職員の皆さんと評価を行う外部の方々とで響き合うようになって、御答弁いただいたとおり、有意義な指摘が多くあったと私も感じているところです。それらせっかくの有意義な指摘が指摘で終わってしまっては意味がないと思います。改善という結果につながってこそ事業レビューが生きてくるものです。事業レビューがよい形になってきたからこそ、その後のフォローがより重要になってまいりました。適正な進行管理に向けて取り組むということなんですが、具体的にどのような仕組みにしていかれるのでしょうか。私としては、各部署での取り組み状況が客観的に全体として捉えられるような見える化がまず必要であると考えております。進捗管理、フォロー体制について、もう少し詳しくお示しください。

 それから、市民判定者の活躍の場について再質問いたします。

 活躍の場の拡大に取り組まれるとのことです。市民判定者の活躍を強く主張しているんですけれども、その理由は、市民判定者を引き受けていただくに当たって、事前の研修であったり、たくさんの資料であったり、長時間の拘束という大きな負荷があるにもかかわらず、昨年もことしも参加満足度が高かった、そして行政への理解を示してくださっているということがあります。無作為抽出で引き受けていただいているので、決して特殊な方々というわけではありません。これはこれまでの市民ワークショップとは異なる点であると思っております。何がこの満足度につながっているのか把握をするとともに、こういった機会をつくっていくことが市政への理解者をふやし、三原市に住む満足度を向上させ、ひいては三原に住み続ける選択につながっていくのではないでしょうか。また、市民判定者の皆さんからも有意義な御意見をいただけていると思いますので、市としての課題を一緒に考えていただく、助けていただくお願いをしてもいいのではないでしょうか。

 例えば、私が考える一例なんですけれども、医療費削減の方法を市民の皆さんと一緒に考えるなどの機会をつくれないでしょうか。きのうの平本議員の医療費削減の質問やけさの寺田議員の国保税の負担という御質問もありました。医療費が膨らんでいることは、市として大きな課題だと思います。一方で、国保税の市民負担も大きな課題だと思います。ですが、この2つを1つの課題として実感を持って捉えることができていないように私は感じております。市民としては保険税の負担が重要な自分事であって、市としては医療費増大ということが重要な自分事であってというようにです。ですけれども、この2つは1つの問題だと思うんです。市として国保税の負担感を切実なものとして捉えていただけるのであれば、市民の皆さんの負担を何とか小さくしたいんです。そのために医療費削減について一緒に考えてもらえないだろうかと市民の皆さんと一緒に考える、市民の皆さんのお力をおかりするということも必要だと私は思っております。

 4点目については、事業レビューの市民判定者の満足度の高さとしてどのような要因を考えておられるのか、そして市の課題を一緒に考えていただく機会を新たに設けるべきではないかについてお伺いします。

<山口秀充経営企画担当部長>

 再質問をいただきました2点について、まず進捗管理とフォロー体制についてお答えいたします。

 事業レビューにおける指摘事項を踏まえた事務改善内容の検討及び進捗管理につきましては、各担当課が主体的に取り組みを進めておりますが、各担当課の取り組み状況や事務改善を検討する上で、判明した課題を把握し、庁内で共有する仕組みを整備するとともに、課題解決に向け支援する役割を経営企画課が担うことで事業レビューの有効性を高めたいと考えており、今後その体制について検討をしてまいります。

 次に、市民判定者の活躍の場についてですが、市民判定者として御参加いただいた市民の皆様には、事前研修や当日の点検作業、事後アンケートなど多大な御協力をいただき、大変感謝をしているところでございます。

 まず、市民判定者の参加満足度が高い傾向になっている要因ですが、事前研修や資料の事前配付により、事業レビューの意義、目的の共有や論点の事前把握が図られた上で当日の点検作業に臨むことができたこと、またコーディネーターの進行や評価者の質疑がわかりやすく、議論がよく理解できたという点が考えられます。

 次に、市民判定者に市の課題を一緒に考えていただく機会を設けることにつきましては、市が抱えるさまざまな行政課題解決の方策を市民と検討する方法は現在もワークショップなどで行っていますが、市政への理解と関心が高まった市民判定者と検討することで、より効果が発現する可能性が高まるものと考えております。

 今後は引き続きワークショップ開催などの庁内ニーズを把握するとともに、各所属が計画しているワークショップへの参加案内など、活躍の場の拡大を図ってまいります。

 ありがとうございます。

 進捗のフォローについては庁内共有を図っていくということで、ぜひ全庁的にこの改善方針が進んでいくようにお願いしたいと思います。

 市民判定者の皆さんの活躍の場については、もう一度質問させていただきたいと思います。

 市が抱える課題の解決について、市民判定者の皆さんと一緒に考えることで効果が高まる可能性があるのではないかという御答弁だったかと思います。事業レビューを経験された市民判定者の皆さんは、市として出会うことができた、新たに発掘できた人材だと思っています。ぜひこの経験者の活用、そして活躍の場をつくっていくということを進めていただきたいと思っています。これは人の活用ということで活躍の場をつくっていただきたいと思っています。

 一方で、場の活用について提案、そして質問させていただきたいと思います。事業レビューの市民判定者の満足度が高いのはなぜか、お答えいただいたわけですが、現在市として既に行っておられるワークショップ、審議会などの満足度が同じように高いかというと、決してそうではないと思います。事業レビューでは、去年もことしも満足度が高かったです。既存のワークショップでもやはりそうあるべきだと思うんです。これは満足度が高まるということは市政について理解する人がふえて、三原市民であること自体の満足度につながって、住み続けたいまち三原の実現につながっていくものと思っています。ということで、事業レビューという場の効果をワークショップなどにも生かしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか、お伺いします。

<山口秀充経営企画担当部長>

 事業レビューという場の効果をワークショップなどにも生かしたらどうかという御提案をいただきました。

 事業レビューの市民判定者の満足度が高い要因は、先ほど申し上げましたように、事前の情報共有を丁寧に行ったこと、また当日もわかりやすい質疑応答で意義や目的が理解でき、納得できる議論であったこと、さらにふだんから市政に関心がありながら、参加する機会に気づかなかった人に対し、無作為抽出で個別に参加を呼びかけたことが考えられます。これまでに市が開催してきたワークショップの多くは一般公募であり、各担当課が抱える行政課題について、市民同士の直接対話の中から有益な意見を参考にすることが主な目的であり、こうした目的のワークショップは今後も必要と考えておりますが、この場合、課題の性格により参加者の満足度もさまざまになると思われます。

 一方、例えば市と市民が同じ課題を共有し、理解を深め、今後の取り組みの方向性を一緒に考えることを目的とする事業レビューに通じるワークショップであれば、参加者の満足度が高く、かつ有意義な提案につながることも考えられます。事業レビューの市民判定者の満足度が高いことと、その要因を庁内で共有し、各課がワークショップを行う際の参考となるよう取り組んでまいります。

 市民の皆さんと一緒に考える場をより多くつくっていただきたいと思っています。

 医療費のことで言いますと、ある程度ジェネリックを使っていただきたいとか、答え、正解というのか、市の思いもあるわけですけれども、たとえそういう市としてはもうこういう方向性を持っているんですということについても、じゃあそのジェネリックの案内を国保の保険証カードが届いたときに開いて見ていただいているか、シールに変えたけれど、そのシールを張っていただいているかとか、よりリアルな、どうやったらそれがもっと活用していただけるんだろうかということを一緒に考えていくということも大事ではないかと思っております。

 広島県の事業でRESASカフェというのが先月11月にありました。RESASは、昨年9月に一般質問させていただいて、地域経済分析システムをもっと市としても活用するべきではないですかという質問をさせていただきました。このRESASをもっと民間でも活用していただきたいということで、国、県が普及事業をしている一環で民間でも活用していただきたいということで、RESASカフェがあったんですけれども、そこに来られていたある企業の方が、それが終わった後の感想で、会社の活性化を考えていたけれども、RESASをうまく活用して、地域の活性化も一緒に考えたいと思ったという感想を伺いました。これは私たち三原市の課題に取り組んでいるわけですけれども、課題はまだまだ市民の皆さんに十分伝え切れていないのではないかと、私は感じております。難しい問題はたくさんありますけれども、それを市役所の中だけで抱え込むのではなくて、もっと市民の皆さんと一緒に考えていくということをやっていってよいのではないか、やるべきではないかと私は考えておりますので、そういう新しい場もつくっていただきたいと思います。