平成28年 第5回定例会一般質問 芸術文化センターポポロについて

平成28年第5回定例会(9月)本会議で行った質問の議事録です。

芸術文化センターポポロについて

 議長のお許しをいただきましたので、通告しております芸術文化センターポポロについて質問をさせていただきます。

 御存じのとおり、全国でも有数のすぐれた芸術文化ホールとして高い評価を受けるポポロです。その評価は音楽の専門家、演奏者からホールとしての音響効果を絶賛されるにとどまらず、日本全国のツアー公演で中国・四国地方でポポロだけという公演、三原市と同じ規模の地方ホールとしては珍しい海外オペラ公演など、三原市外からポポロに来られる方も多く、地域振興という視点からも大きな注目を集めているホールです。そのポポロに隣接する形で消防本部庁舎が移転することになり、緊急車両のサイレンなどの音がポポロに影響しないのか、これまで同様の事業が継続できるのか心配される市民の方々から、専門家による音の測定と評価が必要であると天満市長に対して要望が出されました。これを受けてポポロ建築から音響設計に携わった永田音響設計による測定が行われ、設計時の目標が数値的に満たされるという評価を得ることができました。永田音響設計について申し添えますと、日本国内随一のクラシックコンサート専用ホール、サントリーホールの音響設計も担当されており、ことしはサントリーホールが開館30周年を迎えることから、永田音響設計もあわせてさまざまなメディアで紹介されています。演奏家からの信頼も厚い専門家によってコンサートホールとしての性能によい評価が得られたことにほっとしています。しかし、この緊急車両のサイレンによるポポロへの影響は大丈夫なのかという問題について、私なりにこれまで調査をしてきましたが、その過程で実は大きな問題があることがわかりました。

 (現物を示す)まず、ホールの構造を御説明いたします。客席がありまして、ステージの左側に搬入口があります。その搬入口の外側にある外シャッター、内側にある内シャッター、それからステージの袖、左側にあります大扉、これによって外からの音が遮断されています。そしてさらに、クラシックコンサートの場合は、4枚の音響反射板、左右、後ろ、上側の音響反射板によって外部からの音を遮断する構造になっております。

 永田音響設計が設計時の目標を満たしているとしたのは、これら全てを使用した、いわゆるコンサートホール、音楽堂としての性能です。実際には出演者やスタッフ、機材が頻繁に出入りするミュージカル、ダンス、演劇、寄席、NHKの公開収録、けんみん文化祭など、音響反射板、シャッター、大扉をあけた状態で使う公演のほうが多く行われていることがわかりました。緊急車両のほかに街宣車や大きな音の車やバイクなどの通行によって放送事故のようなハプニングがこれまで起きなかったのは幸運だったのではないでしょうか。このシャッターをあける必要性についてですが、こちらの内シャッターとステージの間にある荷さばきスペースが十分ではないこと、それからシャッターには人の出入りが可能な扉がありません。これが外シャッターになりますが、外シャッターの右側にケーブルの引き込み口がつくられておりますので、NHKの公開収録などは、ケーブルの引き込み口はあるんですけれども、人の出入りができないために、シャッターを上げた状態で実際の使用をしなくてはいけない、シャッターをあけざるを得ないという状況になっております。

 以上のことから、今後ホール使用の際の音環境を担保していくために、シャッターを上げたままにしなくても済むよう、出入り口を新たに設けるべきではないでしょうか。また、音響反射板を設置しない場合もありますので、シャッターの性能も音の遮断効果があるものにするべきではないでしょうか。現在は普通の倉庫などに使われるシャッターで、遮音効果、防音効果がないものが取りつけられています。その点について見解をお伺いします。

 次に、ポポロの活用方針について伺います。

 昨年12月の議会でも、その前に行われた事業レビューでの議論を受けて、芸術文化振興とポポロについて質問をさせていただきました。その際に文化芸術振興計画の策定について、調査研究を行いたいとの答弁をいただきましたが、その後の進展があれば教えていただきたいと思います。

 それから、その12月にも申し上げたことですが、私が必要性を感じているのは、計画策定ではありません。芸術文化を三原市民の皆さんとどう高めていくのか、どう楽しんでいくのか、その事業や活動の場をどう守り育てていくのかということです。計画自体が目的ということではありません。それによって何を担保していくかということを重視しております。

 先ほど申し上げたように、本来は閉めた状態で使用するべきシャッターをあけて使うという判断がされたことによって可能になった事業が数多くあります。NHKの番組の公開収録、坂東玉三郎さんの公演、ブルガリア国立歌劇場のオペラ、劇団四季のミュージカルなど、挙げれば切りがないでしょう。来られた皆さんからも高い評価を得ています。また、ポポロには小ホールがありませんので、そのかわりにホワイエを会場として小規模のコンサートなどの事業が行われています。ホワイエでの小規模事業という道を開かれたことで、より多くの方々に音楽、芸術、文化を楽しんでいただけるようになったと思います。

 さらに、アウトリーチ事業として、ポポロに公演に来られる演奏家の方々に学校などを訪問して演奏やお話をしていただくということも行われています。こういった形での施設活用、事業展開について私は喜ぶべきことであり、ぜひ継続していただきたいと思っておりますが、現在は実態としてこういう運用状況になっているというだけで、バックボーンとなるものがありません。長期総合計画みはら元気創造プランでは、三原市芸術文化センターポポロを芸術文化の発信拠点として、また地域に根差した芸術文化の活動拠点として、さらに親しまれるよう運営するという基本方針が示されてはおりますが、ホワイエでの事業をどう位置づけるのかなど、実際の運用に合ったさらに具体的な方針が必要なのではないでしょうか。

 最後に、ポポロでの事業について経済部とも連携すべきではないかと思うので、その点についてお伺いします。

 三原市として観光産業に力を入れている現在です。ポポロの公演に三原市内、広島県外から来られる方に向けてアピールし、三原での滞在時間を延ばしていただく、できることなら三原市内で飲食、宿泊、お土産を買っていただくなど、そのためのビジネス連携が必要ではないかと昨年12月に一般質問をさせていただきました。その際に観光課、商工振興課との連携を進めたいとの答弁をいただいておりましたが、その後の進展がありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

<清川浩三教育部長>

 御質問をいただきました芸術文化センターポポロについてお答えをいたします。

 御質問1点目の音環境を担保する施設整備についてでございますが、三原市芸術文化センターポポロは、平成19年の開館以来、音響を初めとした施設自体の評価にとどまらず、著名な演奏家や団体等の公演事業も含めて非常に高い評価をいただくまでになりました。今ではポポロは三原の、我がまちの顔であり、誇りであると言っても過言ではないと思っております。

 このたびのポポロ西側への消防庁舎移転にかかわっては、計画段階から教育委員会と消防本部とで連携をとり、両施設の共存について、特に音響への影響についてこれまで築き上げてきたポポロの評価、ステータスを一抹たりとも欠かしてはならないを理念に取り組んでおります。

 これまでに2回の音響調査を実施し、その調査結果から、ポポロの音楽ホールとしての評価に影響はないことに対して一定の担保を得られたと考えております。また、今回の調査では、数値的な結果のみならず、音響に万全を期す方策として、シャッターや大扉の開閉の問題、経年劣化した扉パッキンの問題、緊急出動車両運行の運用等についても課題として整理をすることができました。

 これらの課題を念頭に御指摘も踏まえ、できる限り環境が担保できるよう、有効な設備改善を検討、実施してまいりたいと考えております。

 また、消防庁舎移転後、ソフト面でも、消防、教委、ポポロとで定期的に連携会議を開催し、情報交換する中で運用面での配慮事項等を相互に確認してまいりたいと考えております。

 次に、御質問2点目、施設活用方針についてお答えをいたします。

 まず、文化芸術振興計画の策定についてでありますが、文化芸術の振興は市民一人一人が豊かな心を育み、ふだんは暮らしやすく、時には心躍るまちとなり、そのような文化的な雰囲気がまちのイメージを高めるとともに、住んでいることに誇りを感じることにつながるものです。そういったまちづくりの方向性を三原の宝であるポポロの活用方針を含めてまとめることの意義は強く感じております。

 振興計画策定の具体的な進展は現在のところありませんが、引き続き研究してまいりたいと考えております。

 続いて、ポポロに関してさらに具体的な方針が必要ではないかについてでございますが、ポポロは市民の芸術文化の活動拠点として、また多彩な芸術文化に触れ親しむことができるよう、さまざまな公演を開催できる拠点施設として指定管理者制度により運営をしております。ポポロ建設時に策定をした三原市新文化施設管理運営基本計画に基づいて運営をしていくとともに、具体的な事業計画については、指定管理者選定時に提出をされた提案書に詳細に記載をされており、市と指定管理者との確認の上、それに基づいた運営を行っております。

 そのうち文化振興事業については、すぐれた芸術文化の鑑賞機会の提供、市民がみずから参加体験し、人材を育成する場の提供、文化交流や価値観の相互理解への寄与を目的とし、文化ホールを使った国内外からの演奏家、舞台芸術家の招聘事業やホワイエを使ってのLet’sホワイエ、気軽にライブ、ボランティア自主企画等の事業、そのほかアウトリーチ事業やイルミネーション事業等、幅広く展開をされております。これらの事業は、指定期間を見据えた継続性のある計画に沿って実施がなされておりますが、有識者、利用者、一般市民等で構成される運営協議会でも定期的に点検評価を行っていただき、見直しや改善が図られております。

 このようにポポロの運営、事業展開につきましては、具体的で詳細な計画に基づいて実施をされておりますが、議員からも御指摘いただきましたように、みはら元気創造プランに示した基本方針と指定管理者が具体的に事業展開するために掲げている計画をつなぐためのベースともなる市としてのポポロの活用指針は必要と考えておりますので、今後研究してまいりたいと考えております。

 次に、最後の御質問3点目、経済部との連携についてお答えいたします。

 ポポロが展開する公演は、国内外から著名なアーティストを招聘する等、市外、県外からの方も数多くおられます。近年では、坂東玉三郎舞踏公演やブルガリア国立歌劇場オペラ公演、チック・コリア&小曽根真ピアノデュオ公演、NHK交響楽団公演等では、観客のうち5割から7割が市外からといった公演もありました。市外から来られた方のアンケートを見てみますと、ポポロの施設や開催公演への高い評価、そしてこのポポロをつくり上げた三原市への称賛等をいただいているところでございます。その一方、ポポロ以外に三原のまちで見る、食べる、泊まるを体験される方は少数のようであります。その方たちにポポロと自宅の往復だけでなく、ポポロの観客からいかに三原の観光客になっていただくかということを考えていく必要がございます。例えば公演の入場券半券を持っている方については、市内の土産物店や飲食店、ホテル等での割引特典があるとか、公演前後の時間を利用しての観光案内の紹介であるとかにより、市外からのお客様に三原のまちに触れてもらうきっかけづくりとなり、三原のよさをアピールする、知ってもらう絶好の機会となります。

 今後、三原の顔であり、三原の宝であるポポロをどのように活用して地域振興、観光振興へとつなげていくのか、経済部、商工会議所等とも連携を強化し、具体的な対策に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 御答弁をいただきました。

 まず、これまで築き上げてきたポポロの評価、ステータスを一抹たりとも欠かせてはならないということを言っていただいて、大変心強く思っております。

 有効な設備改善を検討、実施ということで御答弁をいただきましたが、これは具体的な内容について現時点でお示しいただくことはできませんでしょうか。また、設備改善について、今後の検討の場やスケジュールについても、できれば教えていただきたいと思っております。

 それから、ソフト面で消防、教育委員会、ポポロで定期的に連携会議を開催して情報交換するということも言っていただきました。これは本当に大事なことだと思っております。公開されている公演スケジュールだけではなくて、リハーサルであったり、ポポロの音響のよさということで、CDの録音なども行われておりますし、ぜひそういった内部的な事業もあるということも含めて連携会議、情報交換、お互いのいい関係を保っていっていただきたいと思っております。

 それから、振興計画についてです。ホワイエのこともおっしゃっていただきましたが、建設時の基本計画、これ私もこのたび初めて読ませていただきました。その中でホワイエの活用というのも初めから想定されていたように読み取りましたが、その時点では展示利用などというふうに書かれていたようなんです。現在コンサートも多く行われていると思うんですけれども、このホワイエのみの利用というのは、近年ふえているのでしょうか。また、利用内容の変化などもあれば、教えていただきたいと思います。

<清川浩三教育部長>

 2点の再質問をいただきました。

 1点目、設備改善の具体的な内容、今後の検討の場、スケジュールについてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、音響に万全を期す方策として、外シャッターや大扉の開閉の問題、経年劣化した扉のパッキン等、課題として整理をしておりますので、今後、有効な改善策につきましては、新消防庁舎の供用開始時期を見据え、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 また2点目、ホワイエの活用についてでございますけれども、オープン当初からポポロの自主事業の音楽コンサート等を初め一般申し込みの演奏会、交流会、展示会やワークショップなどが幅広く開催をされております。大ホールとはまた違った少人数に適して気軽に利用できることや、中庭や屋外の芝生広場を望める空間、魅力あるロケーションの効果もありまして、利用回数、利用目的とも増加傾向にあるという現状でございます。

 御答弁をいただきまして、再々質問をさせていただきます。

 設備改善については、今の段階では明確にお答えがいただけないということです。それはこれから予算計上されて査定もありということにもなるでしょうから仕方ないかと思いますが、ぜひシャッターを上げたままでの公演という形にならずに済むように、防音、遮音のシャッターにしていただきたいことを強く要望いたします。

 それから、パッキンの取りかえ等、課題もはっきりしているということですので、改善を強く要望いたします。

 それから、ホワイエのほうですけれども、展示やコンサートなどさまざまな形で利用がふえているということです。ことし5月に行われたチック・コリア、小曽根真さんのピアノデュオ公演のそのプレ企画で、小曽根真さんのトークショーやピアノ演奏もホワイエで行われたんですけれども、そういった世界クラスの演奏家の方の企画もホワイエで行われておりまして、小曽根さんからポポロのホールの音響のすばらしさだけでなく、緑が美しいホワイエでの演奏もとても喜んでいただいたようです。御答弁の中でもホワイエの空間はすばらしいということも言っていただきましたが、そういった空間で音楽が気軽に楽しめるということも大事にしていただきたいと思っております。

 今回、消防庁舎が移転するということで、とても多くの方がポポロを大切に思っておられるということを改めて知ることになりました。要望書を出されたポポロを愛する市民の会がフェイスブックページ、ホームページを朝開設されてからのその日のアクセスが750件、すぐに1,000件を超えたというようなことも聞いております。ポポロをどうやって活用していくのか、これまで築き上げてきたポポロの評価、ステータスを一抹とも欠かせてはならないということをおっしゃっていただきましたが、これからこれまで築いてきたものにさらに加えて、せっかく広域で人を集められる施設ですので、より活用をしていっていただきたいと思っております。それをぜひ多くの三原市民の皆さんと議論を深めていただきたい、そういう場も持っていただきたい、そういうことが結果として三原の芸術文化を担保していく振興計画につながっていけばということも思っております。

 それから一方では、ポポロの公演などへ来られる愛好者の方だけでなく、より多くの三原の皆さんが還元を受けられるような形を目指していく必要も感じております。ポポロの年間施設利用者が8万人ぐらい、イルミネーションに来られる方だけでも1万4,000人というふうに伺っております。年間10万人以上、単純計算で三原市民が、年間1人1回は訪れている施設と言えると思います。こういった施設をより活用していくということが必要だと思っております。

 それから、先日、議会のほうで行いました市民と議会をつなぐ意見交換会の場でも、ポポロに関して消防庁舎移転に伴って駐車場が狭くなるということを心配される御意見もありました。これは本当に消防庁舎移転より以前からやはり駐車場が狭いということや、駅からのアクセスの問題、シャトルバスも出していただいておりますけれども、その運行費用のことなど課題があります。そういった改めて浮き彫りになった課題を含めて総合的にポポロの活用ということをどういうふうに教育委員会として進めていかれるか、最後に総合的な見解をお伺いして、終わりたいと思います。

<清川浩三教育部長>

 ポポロはこれまで利用者の方、来館者の方、演奏家等を初め多くの方に支えていただき、今後も三原の顔として誇りとして現状に満足することなく、挑戦、成長を続けていく必要があると考えております。

 また、芸術文化活動の拠点施設としてのみならず、ある意味、その範囲を超えたまちづくりの拠点施設としての活用も視野に入れて今後も取り組むことがポポロの、そして我がまちの魅力向上につながることではないかというふうに思っております。議員御指摘の点、御参考にさせていただきながら、今後も取り組んでまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。まちづくり拠点ということもおっしゃっていただきました。地方創生という中でも、本当にまちづくり拠点、人が集まる場所、人の流れをどうつくっていくかという大きな課題があるところですが、本当にポポロはまちづくり拠点となり得ている場所だと思いますので、三原市民みんなで応援しながら育てていく、一緒に育てていく施設としてこれからもぜひ頑張っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。