令和元年第3回定例会(6月)で行った質問の議事録です。
ワンストップ化による市民サービスの向上について
議長の許可をいただき,一般質問を行います。
1項目めは,ワンストップ化による市民サービスの向上についてです。
5月7日から新しい庁舎での業務が始まりました。天満市長は,4月に開かれたオープニングセレモニーで,市役所が真に市民の役に立つところになるようにとおっしゃられました。市長を初めとする職員の皆さん,そして議会の私たちも力を合わせてそのようにしていかねばならないと思っております。新しい庁舎でまだなれない点はありながらも,庁舎が分散していた問題を解決する形となり,とりわけ議会仮庁舎は本庁舎から1.2キロ離れていましたので,本庁舎内の議事堂となったことをありがたく思っております。しかし,庁舎の統合から取り残された手続があります。子どもさんが生まれて出生届を出すことに伴う手続で,おむつのごみ排出支援として,有料の燃やすごみの袋をもらうための手続に宮沖の環境管理課まで行く必要があります。同様に,介護などでおむつが必要な方についても,宮沖に行かなくてはなりません。以前は本庁舎,駅前サン・シープラザ,宮沖の環境管理課と,赤ちゃんを連れてそれぞれ行くのが大変だということを伺っていたのが,便利にはなったものの,分散庁舎の解消ということを言ってこられたのに,どうして新庁舎での業務開始にあわせて本庁舎で対応できるようにされなかったんでしょうか。困っておられる声は把握されていないでしょうか。本庁舎で対応するべきだと思いますが,今後どのように対応されますでしょうか。
2点目にお悔やみコーナーの設置について伺います。
ワンストップ手続で市民の利便性を高めていくことについては,転出,転入や市内での引っ越しの手続の場合の窓口,外国人対応窓口を設けるなどさまざまな例がありますが,今回は全国的に注目されているお悔やみコーナーに絞って質問したいと思います。
終活という言葉やエンディングノートなども話題になるこのごろですが,死は予期することができず,そう簡単に前もって準備できるものではありません。残される者にとっては,突然の悲しみや精神的な負担の中でさまざまな手続に追われることになります。また,近年では,手続をされる御遺族が高齢となる場合や遠方に住まわれているケースなど,手続の負担がクローズアップされ,死亡届を出した後に必要な手続を一元的に受け付けるお悔やみコーナーを設ける自治体が出てきています。内閣官房IT総合戦略室においても,死亡,相続ワンストップサービス実現に向けた方策の研究が昨年から行われています。国として省略できる手続はないかなどの見直しに向けた整理が行われているところで,自治体のお悔やみコーナー導入に向けた支援も検討されています。こういった流れの中で,本市としても,死亡届を出した後の手続が,高齢の方でもわかりやすく,スムーズに行われるよう,お悔やみコーナーという場所を設けて対応していく必要があると考えていますが,どのようにお考えでしょうか。
<平岡雅男生活環境部長>
まず,1点目のおむつのごみ排出支援についてお答えをいたします。
三原市では,平成25年度より,2歳未満の乳幼児の保護者や介護認定4及び5の方など,日常生活においてほぼ常時紙おむつが必要な方を対象に,もえるごみ指定袋の無料交付事業を実施しており,平成30年度においては,総申請件数869件,総交付枚数7万6,422枚を環境管理課及び3支所の市内4カ所で交付をしております。このうち,申請件数の81%に当たる708件,交付枚数の83%に当たる6万3,618枚を環境管理課において受け付け,交付をしており,転入届や出生届,介護認定手続などを本庁で行っていただいた後,宮沖にあります環境管理課までお越しをいただいております。このような御負担をおかけしていることから,現在本庁での本事業の受け付け・交付が早期に実施できるよう調整を行っており,市民の皆様の御負担を少しでも解消し,ワンストップによる市民サービスの向上を目指して取り組んでまいります。
続きまして,御質問2点目,死亡時の手続を一括して行うお悔やみコーナーの設置についてお答えをいたします。
本市では,お悔やみコーナーという名称で特設のコーナーを設けるという対応はしておりませんが,市役所内での死亡後の必要な手続は,ほとんど市民課の一つの窓口で行うことができ,ワンストップの窓口としての機能をしております。また,新庁舎では,窓口案内のコンシェルジュが内容をお尋ねし,専用窓口へ御案内をしております。今後も窓口での手続がわかりやすく,スムーズに行えるように努めてまいります。
御答弁をいただきまして,おむつのごみ排出支援については,現在本庁でできるように調整をしていただいているということです。できることなら本当にこの新庁舎ができることにあわせて進めていただくべきであったと思っております。それを今さら言ってもしょうがないので,できるだけ早急に速やかに実現に取り組んでいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
お悔やみコーナーのほうについてです。
実態としてはワンストップ窓口に既になっているということでございました。私もこのたび資料をいただいて見させていただく中で,ほかの自治体では国保とか国民年金とか介護保険とか,別の手続をしなくてはいけないものが,三原市では市民課で一括して受けられるようなことにもなっていて,頑張っていただいていると思っております。それをさらにもう一歩進めていただきたいと思い今回質問をいたしております。三原市としては,障害者手帳をお持ちの方の手続であったり,市営住宅の契約者になっておられる方の手続というのは,別になっております。お悔やみコーナーを設けている他市の例では,ほかの手続とあわせて障害者手帳をお持ちかどうかの照会ができて,照らし合わすことができて,手帳の返還だけで済む場合はもうお悔やみコーナーで手帳を返していただく。障害者福祉の手続が必要な場合は障害者福祉の担当部署に行っていただく必要があるわけですが,その場合にも,亡くなられた方の情報は既に照会ができていますから,待ち時間が短い,そして改めて書類を書く必要がない。市営住宅などに関しても,契約者の変更や契約をやめるなどの手続で,改めて書類を書かなくて済むということがありますので,亡くなられた方のお名前,御住所,手続に行く方のお名前,御住所を何度も書くということもつらいときに悲しみの中での負担になります。こういったことをもう一歩進んだワンストップの実現を目指すべきだと考えておりますが,いかがでしょうか。
それから,もう一点,死亡届け出後に必要な手続を案内する書面,こういう封筒をもらうわけですが,この封筒の中に7つの書類が入っておりますが,この内容についてもわかりにくく感じております。これについては,具体的な内容は本会議の場で質問をしませんが,見直しの必要性についてお伺いいたしますので,見解を求めます。
<平岡雅男生活環境部長>
1つ目ですけれども,障害者手帳をお持ちの方や市営住宅の手続を一緒に受け付けをしてはどうかということの質問についてお答えをいたします。
障害者手帳に関する手続は,市民課と同じ1階のフロアの社会福祉課で迅速かつ正確な手続のために専門性の高い職員が対応しているということでございます。
また,市営住宅ですけども,市営住宅は,平成30年4月から,維持管理運営全般を指定管理者が行っております。指定管理者が窓口になっているということから,本庁舎の住宅対策課では受け付けはしておらず,来庁された方には,指定管理者の窓口の御案内をさせていただいております。
2つ目ですけども,死亡届け出後に必要な手続を案内する書面の見直しが必要ではないかといったことですけれども,本市では,死亡後の手続について国民健康保険,後期高齢者医療保険,国民年金,介護保険などの業務ごとに分け,それぞれの届け出や手続に必要なものは何かという視点での案内文書を作成させていただいておりますけれども,手続に必要でお持ちいただくものは何かという視点からのわかりやすい案内文書を他市の事例を研究して作成をしてまいります。
届け出に関する書面は,見直していただけるということでしたが,受け付けのほうについては現状の御説明にとどまりました。現状のままでよい,仕方ないという御趣旨のように受けとめましたが,受け付けについても改善の余地があるかどうか,費用がかかる場合もあるでしょうから,できるかどうかという検討はされるべきだと考えますが,いかがでしょうか。
お悔やみコーナーを設けることについては,私としては去年から注目しておりましたが,このたび質問させていただいたのは,斎場の利用を有料にしたいという話が出たことからです。先月,5月の厚生文教委員会協議会で,現在建設を進めている新しい斎場の利用が始まるのにあわせて,現在は三原市民は無料の利用料を有料にされたいという趣旨の御説明がありました。斎場の利用については,これから斎場特別委員会で議論していくのだと思いますが,今のところ私としては賛否どちらとも言えないと思っております。しかし,大きな建設事業が続く中で,これは新市建設計画のおくれなどの事情もありはするんですが,市役所,斎場,図書館,不燃物処理工場など大きな建設事業が続くことに対して,市民の方からも御批判の声,伺います。そういう中で,市民の皆さんに負担増をお願いする必要があるのであれば,必要な場合は当然あるということは理解をしているんですが,必要があるのであれば,新しくなるからということだけではなくて,サービス向上の努力をしていただきたい。サービス向上の努力をする姿勢が必要だと思っております。まずは改善できるところはないのかという見直しを図っていただきたいと思いますが,そういった検討はしていただきたいと思いますが,どのようにお考えでしょうか。お願いします。
<平岡雅男生活環境部長>
今後の改善の思いということでございますけれども,今回,新庁舎の業務を行うに当たりまして,窓口サービスの向上については研究をし検討してまいっておりました。そして,市民課の窓口業務についてですけれども,今までは税の担当課で行っていた税証明を市民課で交付することや,番号発券機やコンシェルジュの導入,また受付カウンターの番号によるわかりやすい表示など,手続の利便性については取り組みを行ってまいりました。今回は死亡された方の手続ということでございましたけれども,これに限らず,市民の皆様への窓口のサービスの向上というのは,改善を続けることが市役所の使命であると常々思っております。したがいまして,今後とも他市の取り組みも参考にしながら,改善をし続けてまいりたいというふうに考えております。
お悔やみコーナーという形でという特定する御答弁ではありませんでしたが,市民の皆さんの利便性を高めるための改正は常に続けていかれるということでした。市営住宅の受け付けであったり,契約をやめる手続であったりということも宮沖まで行かなくてはいけませんよね。それも,市役所としての最適化をしたものが,市民にとって,市民を含めた全体最適にはなっていないということではないかなというのを感じております。ぜひ市民の皆さんの立場に立って改善を重ねていかれるようにお願いをして,次の質問に移ります。