令和元年 第3回定例会一般質問 専門スキルを持つ人材の育成と活用について

令和元年第3回定例会(6月)で行った質問の議事録です。

専門スキルを持つ人材の育成と活用について

 2項目めは,専門スキルを持つ人材の育成と活用についてです。
 行政が行う事業について,評価指標が求められるようになっており,既に行っている事業の見直しやまち・ひと・しごと創生総合戦略などのように新しく事業を行う際にマーケティングや調査,分析のスキルが必要になっています。また,情報技術,ITがどんどん進む流れに伴い,業務の効率化を図るために積極的に取り入れていくべきであり,ITに関する知識も欠かせません。また,以前から常々申し上げてきていますが,政策形成のための意見聴取などを行う際のファシリテーション,これはワークショップなどの場で考えたり,発言したりすることを促すスキルですが,そのファシリテーションもますます重要になっていると感じております。私としては申し上げたようなマーケティング,調査,分析,IT,ファシリテーションというスキルの重要性を感じていて,職員皆さんのスキルアップを願うところですが,専門性を持った人材の育成や活用が必要ではないか考えています。市長としては,自治体職員に必要なスキルについて,どのように考えておられ,またそのスキルアップについてどのように取り組んでおられるでしょうか。
 また,外部人材の活用についても伺います。
 より専門性を高めるためには,外部人材を活用することも有効だと考えます。これをうまくやられていると思うのが,福山市さんの戦略推進マネジャーです。報道でもよく取り上げられていますが,兼業,副業の方限定で,週に1回程度来ていただきながら,市が行う事業にアドバイスをいただいたり,戦略推進マネジャーのほうから提案してもらった事業を具現化したりということが行われています。本市でも事業レビューやまちづくり戦略検討会議で外部の専門性をお持ちの方々から事業の評価やアドバイスをいただいて,それはそれでとても有効な機会になっていると思います。しかし,機会が少ないことやスピード感に欠けること,市のほうから相談することを受け身で対応する状況になっていることなどがあり,これらの課題を超えられるのが福山市さんの戦略推進マネジャーではないかと捉えています。御自身の専門分野で活躍されている方々に,兼業,副業として市の職員と伴走,並走していただくような形で,事業効果をより高めていけるような外部人材の活用について,市長はどのようにお考えでしょうか,お伺いします。

<横目正弘総務部長>

 
 専門スキルを持つ人材の育成と活用についてお答えいたします。
 職員の育成につきましては,三原市人材育成基本方針に基づき,5つの目指す職員像を掲げ,自主研修,職場研修,職場外研修を実施しており,過去3年間平均で年間約1,520人の職員が109種の研修に参加し,重要な経営資源である職員の能力向上と意欲喚起に努めているところであります。現在の人材育成の方針は,職員を特定分野の業務に固定化することなく,適材適所に配置するものとし,市民の方からのどんな質問にも対応できるオールマイティー型の総合的職員の育成を基本としております。育成の節目には専門性のある研修を受講させており,一例としましてはファシリテーション研修,調査分析研修,マーケティング研修などに派遣しております。しかし,昨今の多様化,複雑化する行政需要に対応するためには,さらなる専門的能力の開発育成が必要であり,これまでとは異なる視点での研修の導入も必要であると捉えておりますが,一方では職員研修のみに委ねることには限界があるものと考えております。そのような状況におきましては,議員がおっしゃる外部人材の活用は,職員の専門性を補完する一つの有効な手段だと思っております。本市では,これまでもまちづくり戦略検討会議委員や行政アドバイザーなどから専門性や民間の視点に基づくアドバイスや指摘をいただきながら施策に反映させてまいりました。議員が一例として挙げられました戦略推進マネジャー制度は,自治体が外部人材を兼業,副業先として受け入れ,民間の視点やノウハウを生かした事業展開をすることにより,週に1回という制約はありますけれども,ともに働くことで職員の能力向上や意識改革にも期待するものであります。今後につきましては,先進都市における外部人材の活動事例を参考に,また費用対効果の面からも慎重に研究を行う中で,本市における導入の可能性を探ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。

 外部人材の活用について,例として挙げた福山市の戦略推進マネジャーについては,おおむねよい評価をしておられるものと受けとめました。すぐにやるとかやらないとか言えるものではないでしょうから,可能性を探っていただきたいと思っています。ただ,やはりタイミングは重要です。日本全国当面人口が減っていくことは避けられません。とりわけ生産年齢人口,現役世代が減っていく流れと高度な専門性が求められる分野における人手不足,人材不足,これを考えると,外部人材の活用,兼業,副業という流れは,官民問わず重要です。知名度がある自治体の場合は,こうした人材獲得方法を追随,競合する自治体がふえても選んでもらうことができると思うんですが,三原市のような残念ながら知名度の低い自治体の場合は,競合がふえる前に早く取りかかるほどよい人材にめぐり会えると思っております。せっかく御近所の福山市さんで取り組んでおられることですので,すぐにも詳細を確認していただきたいと思います。一番の課題は財源であると思っております。御答弁の中でも費用対効果という言葉がございました。何事も幾らよいことだからといっても伴う財源がなければ実施できません。福山市さんの場合,5人の戦略推進マネジャーを採用されて,本年度予算が約2,100万円とのことです。お一人約400万円,内訳の多くが交通費ということです。財源について私の考えですが,現在定員2名となっている副市長を1名体制にしてはどうかということと,まちづくり戦略検討会議を新たな形に進化させる,つまり福山市さんの戦略推進マネジャーのような形に進化させてはどうかと考えています。これについては,通告内容からずれますので,今回質問しませんが,私がこう考える背景を述べながら,現状課題の認識について再質問いたします。
 今申し上げました副市長については単純なことで,大型事業ラッシュが落ちついてきたこと,ほかの自治体でも副市長を減らして他の人事予算に充てる動きがあるということからです。まちづくり戦略検討会議については,私が捉えている状況,2つのポイントから述べたいと思います。
 1つ目は,実施後やったことの評価をする役割から,クリエーティブにつくり出す役割が必要ではないかということです。現在のまちづくり戦略検討会議は膨大な資料を毎回検証されて物すごい役割を果たしていただいていると思っております。まち・ひと・しごと創生総合戦略も評価指標のチェックいただいておりますが,そういったことへの配分がかなり大きくなっているんですが,そういうやったことの評価よりも,今つくり出していくエネルギーのほうが必要ではないかと思っております。
 2点目は,そのクリエーティブにつくり出すもののスピード化です。駅前東館跡地に図書館,ホテルをつくる素案をつくられたのがまちづくり戦略検討会議ですが,このプランをつくるのが約2年ぐらいかかったかと思います。議会での審議もあわせて4年ぐらいかかったでしょうか。活性化,にぎわいを生み出すということは,短いサイクルでの検討が必要だと思っております。そして,プラン,計画に時間をかけるのではなく,テスト事業をやりながら検証を繰り返して成功に近づけていくというスピード感がある動きが大事だと思っております。そういった点から,現在のまちづくりの戦略検討会議で果たしていただいているものを福山市さんでされている戦略推進マネジャーのような形にするのが有効ではないかという考えを私は持っております。
 それから,行政での外部人材,以前からのやり方としては,業務委託というものもあります。委託の場合は,当然のことですが,市として業務,事業の内容,委託する業務の内容を決めなくてはいけません。戦略推進マネジャーは,事業を見直すあるいはつくる段階で自由度がある形での外部人材の活用だと捉えております。職員の皆さんにとって,そのようなニーズがあるのではないかと考えておりますが,いかがでしょうか。

<横目正弘総務部長>

 
 再質問いただきました。
 まず,財源の件でございますけれども,先ほど言われましたように,先進都市におきましては,5人分で予算が年間2,100万円ということでございます。報酬は1日来ていただいて2万5,000円ですので,単純に計算いたしますと5人分で年間600万円ということになりますと,残りの1,500万円を交通費,または宿泊費に充てているということが想像されます。そういった面だけで見ますと,ここについてはかなり慎重に導入の検討をしていく必要があるんじゃないかというふうには思います。
 それから,スピード感と業務委託のお話をいただきましたけれども,ここにつきましては,従来の計画を例えば見ていただいて,アドバイスをいただいたり,指摘をいただくというような点の部分ではなくて,実際に導入するということになれば,本市の状況をよく知っていただいて,そして本市の課題に向かっての企画立案,それから実行,検証,そしてその次に踏まえた取り組みをしていただくという一つの点ではなくて,一本の線となるようにしてかかわっていただくということは非常に期待できると思います。そういった意味では,先ほど言いましたように,先進地につきましては,まだまだ取り組みも始まったばかりで,全国的な広がりもまだありませんけれども,先進地が始まってやり始めた中で見えてきた課題というのもあると思いますので,聞き取りにまず行って,本市に適した活用方法があるのかどうか,可能性を探っていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

 可能性を探っていただきたいと思っております。費用対効果ということで,効果の部分でこれは先ほど申し上げたような効果がありますということのほかに,付加価値的な効果があるということも思っております。人口が減っていく中で注目されるのが,交流人口,関係人口,かかわる人をどれだけふやすかということが注目されます。住んでいる人は減ったとしても,訪れてくれる,注目してくれる,応援してくれる,ほかの人に紹介してくれる,場合によっては寄附してくれる,そんなかかわり方を続けてくださる関係人口,交流人口をふやすということも大事です。福山市さんに伺ったところ,5人の戦略推進マネジャーの方々のさらに周りの人たちへのアプローチもできているというふうに伺っております。それから,職員の皆さんの研修の時間を改めてとるということではなくっても,戦略推進マネジャーのような形と一緒に働くことでOJT,オンザジョブトレーニング,仕事をしながらの研修ということも可能になってくると思っております。外部人材を活用することで,関係人口,交流人口がふえることによって,さらに三原市を知ってくださる方がふえることになれば,非常に大きな効果もあると思っております。よく三原の知名度が低いということは言われる,私も言っているんですが,というわけなんですけれども,いろんな情報を不特定多数の人に三原の情報を届けようと思ったら,マスメディアとかインターネットとか,そういうものを使わざるを得ません。ですので,見た情報が自分の中に残るかどうか,見た情報が残ったときに,それに基づいて動くかどうか,ということがあります。それは,災害への備えや避難の情報などの伝え方にもあることですが,不特定多数の人に送られてきた情報,自分が対象だと明らかにわかる情報が送られてきた場合,それから発信者が自分が知っている人だった場合,知っている人から逃げたほうがいいよって言われた場合,そういう情報の入手手段,入手の仕方によって,その情報の残り方,行動へのつながり方,違ってくるわけですよね。そうすると,三原市にかかわってくださる,都市部でかかわってくださり,そこからまた可能性を広げていけるようなこういった人材活用というところにも私は期待をしておりまして,可能性をぜひ探っていただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。