平成28年 第1回定例会一般質問 学校給食について

平成28年第1回定例会(3月)本会議で行った質問の議事録です。

学校給食について

 2点目の学校給食についてです。

 平成26年度予算の総括質問でも学校給食について取り上げさせていただきました。その後、みはら元気創造プランにおいても、学校給食における地場農産物の割合を引き上げることとともに、食育の視点から地域や生産者に関する学習機会をふやして、感謝の心を育むことなどを盛り込んでいただきました。今回は、それらの進捗状況をお伺いし、また東部共同調理場については4月から民間委託されることもありますので、今後の方針についても確認をさせていただきたいと思います。

 まず、1点目です。安全でおいしい給食の提供についてなんですけれども、これは3つの共同調理場の中で東部共同調理場で食べ残しが多いということを2年前の総括質問で指摘をさせていただきました。当時は、東部共同調理場の食べ残しが西部の2倍、北部の9倍という状況だったんですけれども、その後どのように取り組んでこられたでしょうか。また、それぞれの調理場での現在の食べ残しの状況はいかがでしょうか、お伺いします。

 また、調理方法として、だし汁を昆布やかつおぶしなどの素材からとっておられたり、市販品を使わずに自家製のカレールーをつくられるなど、手間をかけて調理していただいているとのことでした。この素材から調理するというスタイルは、民間委託されてからも引き継いでいただけるのでしょうか。

 安全面では遺伝子組み換え食品を使わない方針ということも伺っていましたが、これについても変更はありませんでしょうか。

 また、アレルギー対応の除去食についても、民間委託後の対応について、きのうも亀山議員の質問でありましたが、再度伺っておきたいと思います。
それから、地産地消推進についてですが、これに関しても、5,000食以上と提供数の多い東部共同調理場での課題がありました。使われる食材自体も品目数が少なくて、その食材の中の三原市産の割合も西部、北部に比べて低いという状況だったんですけれども、現在の状況はいかがでしょうか、またどのように取り組んでおられるかも御説明ください。

 最後に、食育の推進についてです。食べることを通じて、体をつくるばかりでなく、心の発達を促す役割もあるのが学校給食です。センター方式での給食提供では、調理をしていただく方々と給食を食べる子どもたちとの日常的な交流が持ちにくいという状況にあり、特に配慮が必要だと思っております。給食を通じて感謝の心を育むこととされていますが、どういう取り組みをしてこられているのでしょうか、お伺いします。

<清川浩三教育部長>

 学校給食について3点御質問をいただきました。
 
 1点目、食の安全とおいしさの提供についてお答えをいたします。

 学校給食での食べ残しを減らすために、各共同調理場では、学校と連携をして、食器の回収時間を可能な範囲でおくらせることにより給食時間をできるだけ長く確保する改善を図ったり、栄養士や調理員が学校へ出向き、児童・生徒に対して、また参観日や試食会で保護者に対して食べることの大切さ、どんなふうに給食はつくられているのか、食材、農産物などの生産者等の話をするなど、給食を残さず食べることの大切さについて指導を重ねているところです。

 また、学校も、日々の給食時間や食育指導の中で給食の意義を子どもたちに指導しておりますが、市内3共同調理場全体の食べ残しの現状はなかなか改善できていない実態がございます。

 今後も、食育指導や児童・生徒へのアンケートをもとに食べ残しの傾向を分析し、食べ残しを減らすより効果的な対策を学校と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、東部共同調理場の調理業務については4月から民間に移行しますが、場長、栄養士は今までどおり配置する予定です。献立作成、素材から調理する調理の方法、スタイル、遺伝子組み換え食品は使わないなど、食材の選定及びアレルギー対応除去食等にこれまでどおり変更はございません。

 2点目の地産地消推進の進捗についてでございますが、平成26年度の三原市産の野菜、果物の使用率は、重量ベースで東部共同調理場32.1%、西部共同調理場46.2%、北部共同調理場49.2%、全体では36.3%です。平成25年度は全体で34.2%でございますので、2.1%増となっております。

 そのうち、東部共同調理場で使用する三原市産の野菜・果物の品目数は、平成25年度7品目、26年度は13品目、27年度は15品目が見込まれており、徐々にふえてきております。農林水産課や農協等と継続的に取り組んできた成果が出てきているものと考えております。

 3点目の食育の推進についてでございますが、子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む基礎となります。学校における食育は、年間指導計画を立て、給食の時間、特別活動、各教科等の学校教育活動全般において継続的かつ体系的な指導を行っております。

 給食を通じて感謝の心を育むためには、実際に給食をつくっておられる調理員と子どもたちとの交流は非常に大切なことであり、センター方式となっても大事な視点であると捉えております。

 先ほど説明をいたしましたが、栄養士、調理員が学校を訪問し、給食のつくり手としてどんな思いを込めて給食をつくっているとか、給食にはどんな栄養があり、心身の成長にとってどれだけ重要なのかなどを直接話をしたり、逆に子どもたちが共同調理場を訪問し、給食ができるまでの流れや作業手順等を、自分たちが食べている給食がつくられている実際の施設、調理器具を目の当たりにしながら学習を行っております。

 こうした取り組みを通して、子どもたちの人を思いやり、感謝する心は着実に育まれていると感じておるところでございます。

 今後も引き続き、学校と共同調理場との交流をより一層深めながら、食育の推進に努めてまいります。

 東部共同調理場については、民間委託後も今までどおりの取り組みを引き継いでいただけるということです。ただ、やっぱり民間にかわる、調理を担当される方がかわられるということもあって、やっぱり心配をされる声も聞くところなんですが、先ほどの御説明の中で、調理されてるところも見学をしたりしながら交流を図っておられるというようなことだったんですけれども、民間委託にかわる最初の時点において、子どもたちとの交流などを考えておられるでしょうか。本当に子どもたちの顔を思い浮かべながら、子どもたちの健康、成長を思いながら給食をつくっていただきたいと切に願うものがありますので、最初の時点でそういった交流が行われる予定かどうかということを伺いたいと思います。

 それから、地場産の、三原産の食材の推進についてはしっかり取り組んでいただいていることを認識しております。今、米粉の推進も市として頑張っていこうという状況なんですけれども、米粉用のお米の生産、加工、流通に力を入れていかれるわけなんですが、米粉のパンについて検討されているでしょうか。これは、アレルギーの面から見ても、小麦がアレルゲンとなっている子どもさんも米粉のパンだったら食べられるというようなこともあるんですが、米粉パンの導入について検討されているかどうかということをお伺いします。

<清川浩三教育部長>

 再質問を2点いただきました。

 1点目、委託によりこれまでの食育の取り組みがスムーズに継承されるのか、委託に切りかわりの当初の時点での子どもたちと共同調理場との交流についての御質問をいただきました。

 この点につきましては、やはり委託化に伴っての事前の準備、検討の中でも少し懸念をされた事項でございます。東部共同調理場では、自校方式からセンター方式に変わって、当初はそういった交流が少しできなかった点がございまして、最近になりましてそういった交流を特に強めてきた経緯がございます。これをセンター化によって決して以前の状態に戻してはいけないということで、業者との打ち合わせの中で、当初からスムーズに継承できるように、そういった交流ができるように、今事前の打ち合わせをしているところでございます。早い段階で、これまで行ってきた食育の取り組みを確実に実施してまいりたいというふうに考えております。

 2点目の米粉パンについてお答えをいたします。

 米粉パンの給食での使用の検討状況ですけども、現在市内の学校給食用のパンは、広島県学校給食会と委託契約をして、学校給食会から委託を受けた三原市内のパン業者に製造をしていただいております。これは、小麦粉を使ってパンを製造していただいておりまして、週2回学校給食のほうへ使用しております。

 平成25年度に農林水産省が実施をした学校給食への米粉パン等の利用状況調査によりますと、広島県内の6市町が、食料自給率の向上や地産地消の推進等を目的として、年間1回から11回程度米粉パンを給食に使用しておられるようであります。

 当市におきましては、米粉を使った製麺業者が以前から操業されておりますし、最近では米粉製造企業の進出も決定をし、また米粉用米の生産拡大へという状況の中、今後の学校給食での米粉パン使用につきましては、パン業者との協議、値段等、課題整理をし、検討をしてまいりたいと思います。

 なお、現在学校給食では、米粉を使って地元で製造された麺、おこめんをスープに使用しておりまして、平成26年度年間使用量は約400キログラムという実績がございます。これにつきましては引き続き使用してまいります。よろしくお願いいたします。

 東部共同調理場との交流については、やりたい思い、必要だという認識は十分持っていただいているというふうに理解をしました。やはり最初の時点でということも大事だと思いますので、何とかできるようにしていただけたらと思っております。

 それから、米粉パンのほうも検討していかれるということなんですが、やはり農産物をつくるに当たっても、供給ももちろんですけれども、需要側も育てていかないといけないということがあります。学校給食でその需要が確保されるということになると生産しやすいということもあると思いますので、しっかり農林水産の部署と連携をして進めていただきたいと思っております。

 それから、食べ残しについて、最初の御答弁できちんと御答弁がなかったんですけれども、保護者への働きかけもしていただきながら取り組んでいただいているということです。本当に、残しちゃだめだよということもそうですけれど、おいしく食べられる給食の提供ということも大切だと思います。そこには、やはり子どもたちのことを思ってつくっていただくという部分も必要だと思っていますので、しっかり食育、交流を進めるというところにも力を入れていただきたいと思っているところです。