平成27年 第6回定例会一般質問 芸術文化センター「ポポロ」の活用について

H27年12月議会

平成27年第6回定例会(12月)本会議で行った質問の議事録です。

芸術文化センター「ポポロ」の活用について

 それでは、最後の質問に入ります。芸術文化センターポポロの活用についてです。
 10月18日に三原で初めてのオペラ公演、ブルガリア国立歌劇場による「トゥーランドット」がポポロで行われました。私も行かせていただき、とても感激しましたが、三原市内の方々だけではなく、三原市外、広島県外からも多く来場され、オペラを楽しまれたようです。今回の「トゥーランドット」だけではなく、ポポロの主催公演は一般の人が親しみやすく、なおかつクオリティーの高いものを提供され、好評を得ると同時に公共ホールの運営として注目を集め、高く評価されています。

 8月に行われた中学生によるみはら未来議会においても、ポポロの役割、活用について質問があり、その中でポポロは施設のすばらしさとあわせて、運営面への市民参加やポポロ・ジュニア・スウィング・オーケストラを初めとした子どもの育成をキーワードにした取り組みなどが広く国内外で高く評価されており、まさに三原の宝と言える芸術文化施設であると瓜生教育長が答えておられました。

 また、先ほど質問させていただきました事業レビューにおいても、文化芸術の振興という施策が取り上げられ、芸術文化センターポポロについての議論がありました。事業レビューでの指摘事項については現在まだまとめておられる段階ということではありますが、レビューで明らかになった問題点も踏まえながら、私の問題意識も加えて、ポポロのさらなる活用について質問させていただきたいと思います。

 まず、現在芸術文化センターポポロによって提供されている文化、芸術の振興を三原市としてどうやって継続的に担保していくかという点です。

 事業レビューにおいて、市民判定者の方から、作田館長にかわられてから音楽が楽しくなったというコメントがありましたが、いろんな方の声を聞いてみると、同じようにポポロのクオリティーの高さは作田館長によるものであると捉えておられる方が多いようです。これはつまり三原市としての文化・芸術振興の方針、要求水準によって担保されているのではなく、作田氏がポポロ館長に就任されたことによる偶然の産物であると言えると思います。ほかの自治体では文化芸術振興計画がつくられているところもありますが、三原市では現在策定されておりません。計画をつくることが目的だとは思っておりませんが、市として文化、芸術の振興をどうやって継続的に担保していくか、御見解をお伺いします。

 次に、三原市内のホールの連携、総合的な展開についてお尋ねします。これは1点目の継続的な文化、芸術振興を広く、より多くの方へ提供していくという視点です。

 ポポロでのクオリティーの高い公演は、その施設機能も重要ですので、同じものを市内のほかのホールで行うことは機能面でも経費面でも難しいと思います。ですが、例えばポポロでの本公演に来られた方にほかのホールでボイストレーニングのワークショップを行っていただくなど、小規模で参加型の学びの場を提供することは可能ではないでしょうか。

 最後に、ポポロとのビジネス連携についてお伺いします。これは質問1項目めの観光を三原市を支える産業の一つにという内容と関連しております。
ポポロ主催の目玉事業的な公演に三原市外からどれくらいの方が来られているか、大まかな推移を伺ったところ、以前は8割から9割が三原市内にお住まいの方で、市外からの来場は1割から2割程度だったものが、2010年以降では、三原市内の方が3割から5割で、三原市外から来られる方の割合が大きくふえているとのことです。公演によっては県外から飛行機で来られる方々もおられて、宿泊についての問い合わせや食事についての問い合わせもポポロのほうに入っているようにお聞きしました。

 芸術鑑賞も観光の一つとしてせっかく三原に来られた方に三原に泊まっていただく、三原で食事をしていただく、お土産を買っていただくというアプローチを積極的に行うべきではないでしょうか。これはポポロで企画してやってくださいということではなくて、ポポロ周辺にこういうビジネスチャンスがありますよということを商工振興、観光振興という視点で情報提供やコーディネートしていくべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。

<玉田武敏文化振興担当参事兼教育部文化課長>

 芸術文化センターポポロの活用についてお答えいたします。
御質問1点目のポポロによって提供されている文化、芸術の振興を市としてどのように継続的に担保していくのかについてお答えいたします。

 ポポロは、市民の芸術、文化の振興及び市民の相互交流を図り、芸術文化活動の拠点及び憩いの場とすることを目的として設置しており、運営管理委託に当たっては、市の方針に沿う業者の選定を、施設管理だけではなく運営企画も含めたポポロにふさわしい業者選定を行うために、プレゼンテーションにより実施しております。よって、ポポロに対する高い評価は、ポポロの施設の魅力とともに、館長を初めとした現在の指定管理者の誠実な努力によるものと捉えております。このような業者選定を着実に行い、ポポロの質の高い芸術、文化の発信機能を継続、向上させてまいります。

 なお、三原市の文化芸術振興計画の策定につきましては、本市の芸術、文化の振興を図る視点から調査研究を行っていきたいと考えております。

 御質問2点目の三原市内のホールの連携、総合的な展開につきましては、基本的にポポロで行う公演については、ポポロならではの企画になっています。このため、本公演に関連して他のホールでのワークショップなどを実施するためには、時間的なことや経費の面で課題がありますが、条件が合う企画があれば、他のホールで可能な範囲で展開をする視点を持って、管理者と協議してまいります。

 御質問3点目のポポロとのビジネス連携についてお答えいたします。
ポポロ公演と連携したビジネスチャンスを図っていくことにつきましては、ポポロでの鑑賞、市内での食事とお土産の購入、市内での宿泊と市内観光といった流れのあるコーディネートが大切かと考えます。今後、観光、商工の担当課との連携を進めるとともに、必要に応じてポポロ発行の情報誌への掲載なども取り組んでまいります。

 まず、ビジネス連携についてですけれども、ポポロでの事業、公演の企画をされるに当たっては、三原の方が多くなりそうな公演なのか、それともちょっとマニアックで、遠方からの人が多い企画なのかというようなことを前もって想定されて企画をされていらっしゃるそうなので、これは連携をして、しっかり情報提供をしていくようにコーディネートをしていっていただきたいと思っております。

 それから、文化芸術振興計画の部分で再質問させていただきたいと思います。
調査研究を行っていきたいとの御答弁でした。この計画策定が必ずしも必要だとは思っておりません。他市の計画をいろいろ見てみますと、書いてあることは既にポポロでやっているなあというものが書いてあります。ですけれども、そのホールが全国的に注目を集めているかというと、そうでもないという実情も見ております。

 やっていただきたいのは、市民の皆さんと考える場をぜひつくっていただきたいと思っております。というのも、事業レビューの中で、三原にポポロあり、本当にポポロは誇りです、三原の誇りですという方々がいらっしゃいました。その一方で、1億5,000万円の公費を投じているということを知らなかったという声もありました。全国的に財政状況が厳しくなる中で、公共のホール、企業のホール、更新を迎える時期に当たって、そのまま廃止される例が全国的に起きてきております。文化、芸術振興に三原市民としてどれだけお金をかけて、また活用し、守っていくのかということを三原市民で考えていく場が必要ではないかと思っております。そういった視点で、計画策定というのか、市民の皆さんとそういう文化、芸術について考える場が必要ではないかと思っております。その点について再度御答弁いただきたいと思います。お願いいたします。

<玉田武敏文化振興担当参事兼教育部文化課長>

 再質問をいただきました文化芸術振興計画の策定においては、三原の文化、芸術振興を市民の皆さんと考え、つくっていく必要があるのではないかという質問にお答えいたします。

 三原市の文化芸術振興計画策定に当たっては、御指摘のように、幅広く市民の意見を伺うことが大切だと考えております。

 文化芸術振興計画の策定に向けてということではなくて、市民の皆さんと考える場をつくっていただきたいというのを再度お願いしたいと思います。

 先ほどの事業レビューのところでの御答弁で、市民判定者として参加いただいた方々に市政情報を発信するとともに、ワークショップ等への参加を呼びかけていく、市政に参加していただく取り組みを継続したいということの御答弁がありました。この事業レビューで本当に時間をかけて、この文化、芸術振興についても一緒に考えてくださった方に、またこういう場に引き続き参加していただくことで、より深まって、市民としてその文化、芸術をどうしていくかということで大きな力をいただけるのではないかと思っております。事業レビューの中で一つ大きな指摘があったことですけれども、文化は行政がつくるんですかという質問がありました。文化は市民がつくるものではないか。この計画がつくられたからといって、必ずしも今の文化、芸術レベルが担保されるわけではなくて、本当に市民の気持ちがそこについていったときに、この文化、芸術、今のレベルをさらにレベルアップして、担保していけるのではないかと思っておりますので、引き続き事業レビューに御参加いただいた市民判定者の方々に御活躍いただく場をつくるという意味と、ポポロのさらなる活用ということでぜひ御検討いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。