平成27年 第3回定例会一般質問 事業レビューについて

H27年6月議会

平成27年第3回定例会(6月)本会議で行った質問の議事録です。

事業レビューについて

 議長のお許しをいただきましたので、通告しております事業レビューについて質問させていただきます。
 昨年、三原市として初めての事業レビューに取り組まれ、レビューでいただいた御意見を踏まえて、新しい長期総合計画に全庁的な取り組みとしての5つの挑戦が掲げられ、施策体系や事業についても見直しが行われました。

 敬老祝い金や市民協働フォーラムなど予算削減となったものもあります。事業レビューの実施に当たっては、対象とする施策事業を74施策から選んでいく過程など、まちづくり戦略検討会議委員の皆様にも大きな労力を割いていただいたものと推察いたします。今年度も事業レビューを予定されているということで、提案も含めて、4点について質問させていただきます。

 まず、市民の参加についてです。
 行政運営の中で小さくして質を高めていくと言われる中、市民ニーズを的確に捉えることがますます重要になっており,事業レビューへの市民の参加は不可欠であると考えます。また、市民協働、人材育成が新しい長期総合計画において重要な位置づけとされ、市政への市民参加を促していくよい機会でもあります。レビューでの質問者や仕分け人、判定人として、市民の方にも御参加いただくことを考えておられるでしょうか、お伺いします。

 また、市民が参加するに当たっては、三原市の実施している事業がほかの自治体と大きく異なるのかどうか、同じような事業の場合、ほかの自治体でどのような対策がなされ、うまくいっているのかいないのかなど、行政について理解のある人がわかりやすく論点を設けて、進行、コーディネートすることが望ましいと考えます。戦略検討会議の委員の方々は、それぞれ経営や法律などの専門家であり、進行役を専門の方にお願いすることで、戦略検討会議委員の方からより立場を生かした視点からのアドバイスをいただけるのではないでしょうか。専門員をお願いしてはどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。

 2点目に、説明責任についてです。
昨年度の事業レビューの結果に基づいて事業の拡充、削減があったわけですが、レビューの結果から実際に反映されるまでの間にどのような形でその判断の責任を説明してこられたか、お伺いします。

 3点目は、事業シートについてです。
事業レビューに当たっては、事業の概要がわかる事業シートが基礎的な資料となります。昨年使われた事業シートでは、ほかの市との比較や担当課で今後の事業の方向性をどのように考えているかなど、不足している情報があると感じておりますが、内容の改善を考えておられるでしょうか。

 4点目は、職員の研修についてです。
より効果のある事業をより効率よく実施できるサイクルがつくれるよう、事業シートの書き方も含めて研修を行われてはいかがでしょうか。

 以上、4点についてお伺いします。

<窪田弘武経営企画担当部長>

 事業レビューについて4点の御質問をいただきました。順次お答えいたします。

 本年度の事業レビューの実施方針につきましては、現在まちづくり戦略検討会議において昨年度の検証を踏まえ、制度改善について検討しているところでございます。

 事業レビューにおける市民の参加につきましては、他団体が実施している事業仕分けでは、仕分け人を市民公募する事例や仕分け人の議論を参考に対象事業の評価を市民が判定する市民判定人方式を採用している事例がございます。仕分け人を市民公募する方式は、行政活動を点検する作業では利害関係を超えた議論を要求されるケースもあることから、コミュニティを同じくする市民同士が公開の場で直接議論することへの困難性がある一方、市民判定人方式は、昨年度の検証を踏まえ、市民参加を促す有効な手段の一つであるといったことから、市民判定人方式を中心にまちづくり戦略検討会議において議論を進める予定でございます。

 次に、他都市との比較を踏まえ議論する観点から、進行役として広く行政活動の点検作業に精通している人材を活用することにつきましても、今後、戦略検討会議で議論する予定といたしております。

 2点目の説明責任につきましては、昨年度の事業レビューは公開で開催するとともに、当日の動画配信も行いました。また、点検結果の速報も早期に作成し、市ホームページに掲載したところでございます。さらに、本年2月には事業レビューの結果を反映した市の事務事業改善方針を公表いたしました。今年度の実施につきましても,適時適切な時期に説明責任をより丁寧に果たすよう努めてまいります。

 3点目の事業シートについてでございますが、昨年の点検作業に用いた資料につきましては、論点整理や記載内容がわかりにくいものがあったり、個別の事業の効果や必要性を議論するには情報が不十分だったというまちづくり戦略検討会議からの指摘も踏まえ、必要な様式の改善を行ってまいります。

 最後に、職員研修に関しましては、昨年度の事業レビューにおいては、職員に対して事業レビューの論点整理の方法、資料作成等について説明会を開催し、取り組みの内容や目的の共有を行った上で実施したところでございます。本年度も効果的,効率的な事業レビューとするため、職員向けの研修を実施する予定でございます。

 いずれの点も今後のまちづくり戦略検討会議の議論を踏まえ、必要な制度改善を行った上で、今年度の事業レビューを実施してまいります。

 市民判定人方式について有効な手段であると、とても前向きに考えていただいていると受けとめました。ですけれども、昨年は傍聴という形での市民参加でしたけれども、レビューの場に傍聴としてではなく、質問者や判定者などの立場で市民の方に参加していただくということは欠かせないと思っておりますので、再度お伺いしたいと思います。

 今年度の事業レビューでは、昨年よりもコスト削減を重視する方向と受けとめております。事業を終える場合は、特に丁寧なコミュニケーションを図っていく必要があります。昨年の説明の実態も教えていただきましたけれども、丁寧にやっていきますと、レビューの場での市民の意思表示や議会での審議など、二重三重にチェックをしていく必要があると考えております。

 それから、新しい長期総合計画の基本目標、新しい三原をつくる協働のまちとして三原を支える人の力が不可欠であること、新しい三原市のまちづくりの仕組みの構築を目指すとあります。無作為抽出によって市民判定人として御参加いただくことで、新たな人材発掘の可能性がありますし、市政に参加していただく新たな仕組みづくりにチャレンジしていくべきだとも思っております。

 以上のことから、質問者や判定者などの立場で市民の方にも参加していただくことは欠かせないと思っております。再度、お考えをお伺いします。

 それから、事業シート、職員研修についても再質問いたします。事業レビューは行政にとっては事業の効果、効率を上げる見直しの機会であるわけですけれども、市民にとっては納めた税金の使われ方をより理解する機会でもあります。事業内容がわかりやすいシートへの改善が必要だと思っております。ほかの市で使われている事業シートでは、事業の単位費用なども盛り込まれていて、事業費全体では上がっているんだけれども、単位費用で見ると効率的になっているというようなことがわかる、そんなシートを採用しているところもあります。職員の皆さんがそういった視点を学ばれることで、市民の皆さんへより充実した情報提供ができ、信頼関係を築き、また行財政改善に向けて職員の皆さんのより一層の意識改革が図られるのではないでしょうか。そういったほかの自治体の取り組み事例の検討もできるよう外部講師による研修をされてはいかがでしょうか、再度お伺いします。

<窪田弘武経営企画担当部長>

ただいま再質問を2点いただきました。

 1点目は事業レビューの市民参加のあり方について、2点目は事業内容がわかりやすい事業シートの改善についての2点でございます。

 まず、事業レビューの市民参加のあり方についてお答えいたします。傍聴だけでなく、質問者や判定者などの立場で参加していただくことは、市民の方により市政に関心を持っていただく機会として有効であると考えております。市民判定人方式を採用している団体からの聞き取りによれば、市民判定人として参加した市民へのアンケートで、市政への関心が高まる効果が見られたと伺っております。こうした情報をまちづくり戦略検討会議にも説明いたしまして、議論していただきたいと考えております。

 次に、事業レビューにおける説明資料の改善につきましては、昨年度の資料は主に施策の概要と事業構成に関する説明を意図したものであり、コストの情報が少なく、このことがコスト削減につながる議論が少なくなった要因の一つであると考えております。そのため、改善が必要と認識しておるところでございます。事業レビューは、市民にとって税金の使われ方をより理解をする機会であるという点を踏まえ、説明資料を工夫してまいります。

 また、職員の意識改革を図るため、外部講師を招いて研修する提案につきましては、検討会議における制度改善の方針を踏まえ、その必要性を見きわめた上で検討してまいります。

 ありがとうございます。市民参加についてですけれども、ほかのまちの事例でおっしゃっていただきましたけれども、判定人などで参加をされた方が審議会などの委員になられたり、まちづくりサポーターになられたりというような人材育成サイクルにつながっているような例も聞いております。市民参加については、ぜひ実現していただくようお願いいたします。

 それから、どういう施策事業を対象にするかについては今回質問項目としなかったんですけれども、市民の方に参加をしていただくということに当たっては、より身近な暮らしの問題を対象にすることで、自分たちが直面することがよくわかって意思表示ができる場もあるんだということで、より関心を持って次の年、またやりたいというような方がふえる可能性も考えております。そういう三原市として今どこに力を入れていくべきか、人材育成という視点を重視するべきなのか、コスト削減を重視するべきなのかというようなことが戦略ということになってくるかと思っております。まちづくり戦略検討会議で事業レビューについて御検討いただいてるということですので、そういった点もぜひ御検討いただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。