平成30年 第1回定例会一般質問 三原市の橋を長持ちさせる計画について

平成30年第1回定例会(3月)で行った質問の議事録です。

三原市の橋を長持ちさせる計画について

 三原市の橋を長持ちさせる計画についてです。
 1点目,点検と修繕の進捗状況についてです。
 壊れてから直す修繕では工事費用が大きくなるため,平成24年に三原市の橋を長持ちさせる計画をつくり,早い段階での修繕や予防保全で橋を長もちさせることでコスト削減を図っておられます。点検の結果と修繕の最新の状況をお知らせください。
 これまでに市民の方から,心配な橋があるという御連絡をいただいたことも何度かあるのですが,点検についてはどのような順番で進めておられるのでしょうか。修繕コストをできるだけ平準化すること,そして60年間のコスト総額を抑えることを目的とされていますが,ここ数年の橋梁長寿命化事業費はかなり大きくなっております。工事内容については,契約の都度にも質疑をさせていただいていますが,事業費が膨らんでいるのは計画的なものなのか,想定外の必要に迫られる事情があるのか,状況をお知らせください。
 それから,今後の予定についてです。
 点検を定期的に行っていかなくてはいけませんが,今後の点検,修繕をどのように行っていかれるのでしょうか。また,事業費についてどのような見通しを持っておられるのか,お伺いします。

<武田吉充建設部長>

 
 御質問をいただきました三原市の橋を長持ちさせる計画について,御質問1点目,点検と修繕の進捗状況についてお答えします。
 橋梁点検については,一部改正された道路法施行規則が平成26年7月に施行され,点検は近接目視による5年に1回の頻度を基本とし,その健全性については4段階に区分することになりました。
 点検の状況でございますが,市が管理している1,044橋のうち,平成26年度から平成28年度の3カ年で,687橋の点検を完了しております。健全性の診断結果につきましては,緊急に措置を講ずべき状態である健全度Ⅳと評価する橋梁はありませんが,早期に措置を講ずべき状態である健全度Ⅲと評価する橋梁は140橋,予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態である健全度Ⅱと評価した橋梁が291橋ございました。
 修繕工事の進捗状況でございますが,健全度Ⅲと評価した橋梁から順次補修工事を進めており,平成28年度末までで17橋が完了し,今年度末までにはさらに18橋完了する予定です。
 点検の順番でございますが,平成24年9月に橋梁長寿命化計画である三原市の橋を長持ちさせる計画を策定するために,当時実施した点検結果を参考に,健全度が低いと考えられる橋梁から計画的に行っております。
 次に,橋梁長寿命化に係る事業費につきましては,早期措置が求められる健全度Ⅲを対象に,また高額な工事費を要する鉄道の跨線橋等を優先的に進めているため,事業費は大きくなっている傾向にはありますが,予防保全の効果を発揮するものであり,中長期においては,平準化,コスト低減につながるものと考えております。
 御質問2点目の今後の予定についてでございます。
 橋梁点検につきましては,平成30年度で1巡目が完了します。耐荷力,耐久性に影響すると考えられる損傷や第三者に被害を及ぼす可能性のある損傷を早期に発見することにより,常に橋梁を良好な状態に保全し,安全かつ円滑な交通を確保するよう,点検結果などで得られた情報を蓄積し,合理的かつ効率的な維持管理を行うとともに,平成31年度からは,引き続き2巡目の定期点検を行ってまいります。
 橋梁修繕工事等の事業費につきましては,主な財源である社会資本整備総合交付金の財源確保に努め,1巡目の定期点検の結果,健全度Ⅲと評価された全ての橋梁が2巡目の点検期間中に完了するよう計画的な修繕を行ってまいります。

 御答弁をいただきました。
 例がふさわしいかどうかわかりませんが,虫歯に例えると,健全度Ⅳというのは抜歯してインプラントにという感じでしょうか。治療にお金も時間もかかって大変ですが,そういう橋は三原市内には今ないということです。健全度Ⅲ,虫歯をちょっと削って詰めるという普通の治療で済む段階のものが140,健全度Ⅱ,虫歯はないけれど歯医者さんで歯間掃除とか予防対策をしましょうというような状態のものが291ということです。もともとの計画自体が,60年という長い期間を想定したものですので,時間がかかる話であると思っています。初期治療が必要だとわかったものが140,点検もまだやりながらですので,この数字がふえていくんだと思いますが,28年度末まででわかったものが140。それで,治療済というか,修繕済のものが4年間で35ということなので,初期治療段階のものを手当てするのに10年以上はかかるのかなと思ったんですが,現在健全度Ⅲとされるものを2巡目の点検期間中,つまり次の5年間で修繕を完了予定ということなんです。これは,できるのかなと率直に感じておりますので,どのようなめどを持っておられるのか,御説明をお願いします。
 治療段階のものが全て終わったら,それから次に健全度Ⅱ,予防保全に取りかかるということになるのでしょうか。その点も教えてください。
 それから,もう一点,コスト削減についてです。
 笹子トンネルで天井板が落ちて9人の方が亡くなるという痛ましい事故があって,インフラの安全管理が喫緊の重要な課題であるということは,誰もが認識してることだと思います。そうはいっても,市として財政が厳しいという状況の中なので,コスト削減も重要な視点です。橋梁長寿命化,橋を長もちさせていくことについて,御答弁で国の補助制度の活用もしているということですが,三原市として点検や修繕のコスト削減にどのように取り組んでおられるのかということを教えてください。

<武田吉充建設部長>

 
 3点の再質問をいただきました。
 まず1点目,健全度Ⅲの修繕のめどについてお答えします。
 橋梁点検については,先ほど申し上げたとおり,健全度が低いと考えられる橋梁から計画的に行っております。年度別では,健全度Ⅲと評価した橋梁数は,平成26年度は117橋,平成27年度は8橋,平成28年度は15橋の合計140橋でございます。本年度においては,集計の途中段階ではありますが,健全度Ⅲの橋梁はなく,平成30年度の点検でふえたとしても,ごくわずかであろうと推測しております。
 修繕工事につきましては,現在は跨線橋等の高額な工事費を要するものから進めています。今後は1橋当たりの工事費は下がるものと見込んでおり,2巡目の点検期間中には修繕工事の完了は可能であると考えております。
 次に,御質問2点目の健全度Ⅱの修繕についてお答えします。
 健全度Ⅲと評価した橋梁の修繕工事を優先して行っていますが,今後の進捗状況や財源確保の状況を見きわめながら,健全度Ⅱの予防保全について,着手時期等の検討を行いたいと考えています。
 最後に,御質問3点目の点検や修繕のコスト削減の取り組みについてお答えします。
 点検については,橋梁の構造が複雑で評価の判定が困難なものや,橋梁点検車などを使用しなければ近接目視点検が困難なものなどを除き,職員による直営点検を実施しています。直営点検の実施には,職員の技術力向上が重要であり,国や県主催の研修会には積極的に参加してまいります。
 また,修繕工事については,設計段階で複数の工法を比較検討するなど,より安価な補修方法を選定することによりコスト縮減に取り組んでいるところです。
 国においては,生産性向上につながる先進的な取り組みとして,20の生産性革命プロジェクトを紹介しており,そのうちの一つに,インフラメンテナンス革命として,多様な産業の技術や民間ノウハウの活用による確実かつ効率的なインフラメンテナンスの実現が示唆されています。
 こうした動向も注視しつつ,他の施工事例を収集しながら,今後もコスト縮減につながる新技術,新工法を積極的に導入するよう取り組んでまいりたいと考えています。

 点検修繕を進めていかれる中で,どんどんよい状態のもののほうが残っているのでということで理解をしました。
 再度質問させていただきたいんですが,点検に関してです。5年に1度の点検が義務づけられて5年間で一回りしたら,次の点検期間がもう始まるよということで,延々続けていかなくてはいけないわけです。その負担軽減について,愛知県豊田市と賛同する30自治体が国に対して共同提案を行っています。本市においては,毎年かかる点検費用というのはどれくらいなのでしょうか,お尋ねします。

<武田吉充建設部長>

 
 再々質問をいただきました。毎年かかる点検費用についてお答えします。
 各年度で点検する橋梁数は多少ばらつきがありますので,年平均の点検件数を210橋として,全て委託した費用として計算しますと,約6,000万円であります。

 全部を委託したとしたら6,000万円ということです。自治体が国に対して共同提案を行って,健全度Ⅰのものについては,一気にそんなⅢとかⅣとか悪くなるものではないので,橋梁の健全度Ⅰのものについては自治体裁量で点検するようにしてもらいたいとか,そういう要望を出されています。それに対して,国としては,今のところ現行ルールの変更はしないということですが,点検費用が過分な負担ではないかどうかということを市として把握に努めていただきたいことを要望して終わります。
 それぞれの項目について,またほかの項目についても,予算特別委員会でさらに質疑を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。