平成26年第4回定例会(9月)本会議で行った質問の議事録です。
事業レビューについて
2項目めの事業レビューについて質問をさせていただきます。
三原市まちづくり戦略検討会議で昨年から検討されてきた事業レビューを、来月10月18日に行われるということです。一般的に耳なじんでいる言葉としては、事業仕分けという言葉がなじみがあるかと思いますが、自治体の一般会計の事業を対象に、官と民の役割分担、国と地方の役割分担を現場目線で整理することを目的として2002年に始まったものです。2009年から2012年にかけては政府の行政刷新会議のもとで事業仕分けが行われ、マスコミでも取り上げられて話題になりました。地方自治体でも広く取り組まれるようになり、さまざまなやり方で行われるようになってきております。
今回、三原市として行われるのは事業単位ではなく、複数の事業で構成される施策を単位として、質疑、議論を行い、改善に向けた提案をまとめていくやり方で、質疑、議論、提案を行うのは、戦略検討会議の委員の方々であると聞いております。戦略検討会議では、並行して行財政改革の基本方針もまとめておられますが、予測される人口減少に伴う税収減、合併の特例措置が終わることでの普通交付税の減少、社会保障費の増大、公共施設の維持管理費の増加などが見込まれ、今後厳しい財政状況が予測されております。
レビューを行われる施策の中で主要事業については、いわゆる仕分けも行い、必要性から見直すもの、民間が実施すべきもの、国または県が実施すべきもの、市の実施が妥当だが民間委託等の検討を要するもの、市の実施が妥当だが事業内容や規模等の見直しを必要とするもの、現行どおり実施することが妥当なものの6つの区分に仕分けるとのことです。このレビュー及び仕分けの結果については、その後、誰がどのように行財政の改革に反映をしていかれるのか、また予算や業務の削減については、具体的な目標設定を持っておられるのか、お伺いします。
また、戦略検討会議、私も傍聴をできるだけさせていただいておりましたが、その中で現行の行財政改善大綱の総括について改善がおくれている項目の原因として、職員の意識改革が上げられておりました。事業レビューを通じて職員の皆さんの意識改革を促す工夫をどういうふうにしておられるのか、お伺いします。
それから、2009年以降、事業仕分けのやり方として主流になってきたのが、仕分け人としてほかの自治体職員、政策に精通した人が質問を行い、論点を洗い出す、それから判定人として無作為抽出で選ばれた市民が判定をするというやり方がふえてきております。無作為抽出によって選ばれるために一部の関心層だけではない意見が反映され、終わってからのアンケートでは、税金が何に使われているかほとんど知らなかったが、事業仕分けに参加することで具体的にどのように使われているか知ることができ、関心を深めることができた、以前より広報紙やホームページを見るようになった、市政について家族や友人と話し合うようになった、市民向けの説明会などがあれば参加しようという意欲が出たなど、行政とのかかわりが少なかった市民の方が当事者意識を持つきっかけになっていることがうかがえます。無作為抽出で案内を送るわけですが、その判定人として返信があって応募される方は平均5.8%ということです。
今回の本市の事業レビューでは、市民が直接参加することができないので、とても残念に感じておりますが、レビューを通じて行政と市民とが市政の課題を共有することは、非常に重要であると考えております。より多くの方にこの事業レビューに関心を持っていただき、また傍聴していただくためにどのような対策を行われるか、お伺いします。
<窪田弘武総務企画部長>
事業レビューにつきましてお答えいたします。
事業レビューは、単なる予算削減にとどまらず、事務事業の必要性やその手法が上位目的である施策に適切に貢献しているかを外部の視点で点検することが目的であります。まず、今後の行財政改革への反映でございますが、レビューによる点検で指摘のあった改善点は、次年度以降の予算要求や、現在策定中の新たな長期総合計画の基本計画にも適宜、適切に反映してまいります。現在、行政評価は実施しておりますが、これは基本的に内部評価であり、事業レビューによって外部の視点を加えて客観性を高め、PDCAサイクルを一層機能させ、施策や事業をより効果的、効率的に展開していきたいと考えております。
また、今回はレビュー方式とすることで、成果をより向上させるための改善に向けた意見をいただくことに主眼を置き、具体的な予算削減額の目標については設定しておりません。しかし、議論の中で、評価者から効果が期待できない事業や別の手法が考えられる事業と判定されたものにありましては、判定内容を精査の上、最終的に市長が判断し、予算案等に反映してまいります。職員の意識改革についてでございますが、現在、事業レビューの説明資料の調整中でありますが、指標や事業の設定の点検を進める中で、施策を実現するための事業の構成や目標とする指標の整合性など、現状の課題の把握が進んでおり、またこれからのレビューの実施、さらにはレビュー終了後に、その指摘事項を類似の課題を抱える事業へ反映させることなど、一連の過程に職員が取り組むことで意識改革への効果が期待できるものと考えております。
事業レビューに関心を持っていただくために広報等で傍聴を呼びかけるほか、当日はインターネットで動画配信することを検討しており、市民に広く公開するとともに、点検結果や、その後の反映状況について情報発信してまいります。
判定の結果を受けて、市長が最終的に判断をされ、予算への反映をされるということです。来年度から大規模事業基金の取り崩しをしながら事業を行うことであったり、公共施設マネジメントの中で公共施設を減らすという話も出てくるのであろうと想定しております。スクラップ・アンド・ビルドとか選択と集中という言葉はよく伺うんですけれども、実際にやめる事業、始めるよりもやめるほうが大変ですということも、地方自治体の職員さんからは伺うところです。各事業については、それぞれもちろん必要な背景があって行われているものであると認識をしておりますが、事業レビューを通じて目的や成果指標を見直し、明確にしつつ、やめられるものはやめていく、それからより早く目標達成できるように成果指標などを見直していくということが、財政が厳しい中、本当に大切な事業レビューだと思っております。
今回、本当にやめる決断というのができるのかどうかということと、やめる判断をする過程においては、市民への説明や合意を得る機会を設けられるのかどうかということを、再質問でお伺いしたいと思います。
もう一点です。今回の事業レビューに皆さんが関心を持っていただくために三原市広報に載せたりすることと、インターネットでの動画配信、まだ検討しておられるということですが、もし実現できる場合には、リアルタイムで見られない場合もあるかと思いますので、ぜひアーカイブを残して見られるような形をとっていただけるということも、あわせて検討をお願いしたいと思います。
<窪田弘武総務企画部長>
ただいま財政が厳しい中、このスクラップ・アンド・ビルドが今回の事業レビューでできるのかどうかという再質問をいただきました。
今回の事業レビューでのスクラップ・アンド・ビルドにつきましては、施策への貢献度を点検する中で必要に応じて事業の必要性を判定することを想定しており、全ての事務事業を点検するものではございません。しかしながら、議論の中で事務事業の休止または廃止を判断された場合は、改めて市として市民生活への影響や代替手段の必要性、また民間実施の可能性などを総合的に検討する必要があると考えております。今回の事業レビューで必要性から見直すよう指摘があった場合は、こうした点を勘案する中で事務事業の休止または廃止等の判断をしてまいります。
また、先ほど申し上げました中で、広報等の公聴あるいはインターネットの動画配信、アーカイブスへの保存をあわせて検討いただけないかということでございますが、それは検討させていただきます。
最後に、もう一点質問をさせていただきたいんですけれども、事業仕分けというかレビューが、今回1回で終わるのではなく、続けていかれるかどうかということを、最後に質問したいと思います。
今回の事業レビュー、施策単位でされるわけですけれども、すごく欲張りな企画だなというふうに感じております。ほかのところでは、やはり事業単位で見ていく、その上で施策にと、広島県の場合がそうでした、平成21年、22年、事業単位で仕分けを行った後、23年、24年と施策単位で行われております。事業仕分け、いろんな自治体に行って事業仕分けをされてる方々に聞くと、施策全体を見ることと事業一つ一つのチェックということで、すごく高度な技術といいますか、難しいです。誰が仕分け人になるか、すごく人選にも気を使いますということも言っておられました。それを今回、施策でされるということで、これが三原方式でいい形になることを願いつつ、今回質問をさせていただいたわけですが、今回1回で終わりではなく、続けていっていただきたいと思っております。
今現在、事業シートを作成したり、現在までの作業のところでも職員さん方の意識に変化が見られるということですので、これは本当に喜ばしいことだと思います。私の自分の未熟さをさらけ出すようでお恥ずかしながらですけれども、議員にならせていただいて1年5カ月です。その市民感覚として、これやったらいいのに何でできんのんということ、シンプルに感じるわけなんですが、それがこの前の質問で森林のことを質問させていただくのに、森林整備計画どうなってますかと聞きに行ったら、キングファイル2冊持ってきていただいて説明いただきましたが、そういった一つのことをちょっと変えるにしても、これだけの資料を読み込んで、整合性を図って調整していくという膨大な事務量が必要なんですねえということも実感をしているところです。
そのはざまにいるような気が今しておりますが、そうは言っても、よく市民の方から聞くのが、市役所はできない理由ばかり並べるとか、どうやったらできるかを考えて教えてほしいということもよく聞くところです。もちろん、法を逸脱してということはできないわけですけれども、今現在やめられる可能性があるものがどれくらいあるのかわかりませんが、やめるという決断をしていかないと新しい課題に対応していく組織づくりというのも難しいのかなと思っておりますので、こういった事業仕分け、レビューなどの機会を通じて、そういった決断も、ぜひしていただく必要があるのではないかと感じております。
最後にもう一つ質問していました、続けていかれますかということを、よろしくお願いします。
<窪田弘武総務企画部長>
この事業レビューを続けていくかどうかでございますが、ことし今回初めてでございます。74施策中10施策を行ったところでございます。今回の結果の反映を見た上で、今後のやり方を含めまして次年度以降の取り組みについて判断させていただきたいと考えております。
以上でございます。