平成30年 第1回定例会一般質問 高坂自然休養村リニューアル事業について

平成30年第1回定例会(3月)で行った質問の議事録です。

高坂自然休養村リニューアル事業について

 続いて,3項目めの質問に移ります。
 高坂自然休養村リニューアル事業についてです。
 1点目,事業の目的について。
 1月の議員全員協議会で御説明いただいた際には,この事業の目的は,観光農業の推進と都市部の人に憩いの場を提供することが主な目的であるとのことでした。その後に開かれた新斎場建設調査特別委員会では,斎場立地のための地域対策だという御説明があり,同じ市役所の中で説明,事業の目的の食い違いがあることに戸惑っております。事業の目的が異なれば,とるべき手段も異なってきます。共通認識を持つことが必要だと考えておりますので,この事業の目的について改めて御説明をお願いします。
 2点目,公共施設の施設類型別実施計画におけるスポーツ・レクリエーション系施設の投資または撤退の判断についてです。
 市として公共施設のあり方を整理していかれる過程で,平成28年に公共施設等総合管理計画を策定され,現在は施設類型別実施計画をまとめている段階です。素案としてお示しいただいている内容として,この自然休養村が位置づけられているスポーツ・レクリエーション系施設については,公共施設としての必要性を明確にするとあります。私としては,昨今多岐にわたるレクリエーションがあり,時代の変化とともに,公共施設としての必要性は薄れてきているように感じますが,この点をどのように捉えておられますでしょうか。また,同じく施設類型別実施計画のスポーツ・レクリエーション系施設の考え方の中で,採算性,民営化の検討などの言葉もあり,そのような視点を持って検討いただいているものと理解しております。
 2項目めの公共施設の質問で申し上げたとおり,ビジネスベースで成り立つとか,市として財政負担がなくなるものについては,必ずしも施設面積削減ということにこだわる必要はないのではないかとも考えております。高坂自然休養村については,こういった視点でどのような検討がされたのかお示しいただきたいと思います。

<吉川進経済部長>

 
 高坂自然休養村リニューアル事業についての御質問の1点目,事業の目的についてお答えをいたします。
 高坂自然休養村は,観光農業の推進と市民の憩いの場であるとともに,三原市の重要な観光資源である佛通寺のおもてなしの場としても活性化できる可能性があることから,それを実現するため引き続き地元組織を基本に外部の担い手や民間事業者との連携も視野に入れ,高坂自然休養村の活用を促進することで,三原市の魅力を内外に伝えるエリアとして位置づけております。高坂自然休養村リニューアル事業は,そのために必要な管理センターの機能アップ改修等を行うものでございます。
 御質問2点目の公共施設の施設類型別実施計画におけるスポーツ・レクリエーション系施設の投資または撤退の判断についてお答えをいたします。
 高坂自然休養村は,三原市の公共施設等総合管理計画における施設類型別実施計画では,スポーツ・レクリエーション系施設に位置づけられており,その実施方針に基づき,施設の役割とその効果,採算性,周辺施設との機能重複,競合性などを鑑みながら,佛通寺とその周辺にある自然環境,高坂ならではの魅力ある食,物販,地元組織のさまざまな体験メニューなど,公共施設として必要であると判断した上で,機能の見直しを検討いたしました。
 観光農業の推進につきましては,これまでふるさと高坂佛通寺活性化協議会で協議する中で,地元の意欲ある活動団体もあらわれ,ノルディックウオーキング大会やレンコンや芋掘りなどの農業体験,季節の各行事など2年間の実績があり,定着しつつあるとともに,今後はそば打ち体験や地元の野菜を使った食事の提供など,新たなおもてなしの取り組みが生まれており,その活用を図ってまいります。
 市民の憩いの場としてのレクリエーション機能については,公共施設マネジメントの視点を踏まえ,市内に公設の類似施設があるキャンプ場は廃止する一方,国から指定を受けた自然豊かな環境を有する高坂自然休養村の本来の設置目的から,花木ゾーンの整備などにより南部エリアを引き続き活用していく方針であります。
 今後の管理,運営につきましては,現在の管理費用を上限に,追加の費用を発生させない方向で考えております。具体的には,これまでのような業務委託方式では施設の管理が主体となり維持管理費の軽減につながらないため,将来的には自立できるよう民間事業者の自由な発想を生かした自主事業を展開し,収益を上げ,持続的な管理運営も期待できる指定管理者制度の導入について検討してまいります。

 自然休養村は市として必要な施設であると判断されるに当たって,採算性,競合性という視点も持って検討されたということです。では,その競合性がどういうところにあるかというと,佛通寺や高坂ならではの農業資源があるということで,正田議員のきのうの質問でのターゲティングやゾーニングはどうなのかということがありはしますが,そういう強みがあるということの御説明はわかります。
 採算性のほうについて質問させていただきます。
 維持管理費の軽減を目指していかれるとのことです。現在の管理費用を上限にということなんですが,現在の管理費用というのは,施設の維持管理費と施設運営の事業費と両方含まれるのでしょうか。まず,施設運営の事業費は,独立採算で賄えるようにしていただくこと,その上で,可能であれば維持管理費も賄っていただけるようになるということが,このレクリエーション,おもてなし,観光というのを題目として掲げる施設としては,事業採算が合う形でしていただくのが望ましいと思います。ソフト事業の独立採算は可能なのかどうか,教えてください。
 また,今後施設整備の投資額が膨らんでいくことはないのかどうかという心配もしています。今回お示しいただいている3年間の事業費が1億2,000万円ですが,誘客のためにさらに整備,投資が必要ということにはならないのでしょうか,お尋ねします。

<吉川進経済部長>

 
 再質問をいただきました。
 御質問の1点目,採算性の考え方についてお答えをいたします。
 現在の管理費用は,施設の維持管理を業務委託する内容で,施設運営の事業費は含まれておりません。市といたしましては,収益事業を含め,施設運営を独立採算で賄うことや,可能であれば維持管理費も賄える,いわゆる0円の委託を目指して指定管理者制度への移行を検討したいと考えております。そのため,地元組織のみによる運営では困難であると考えており,他地域の担い手や民間事業者との連携を含めた管理運営体制を検討する方針でございます。
 今後収益事業の実施に伴い,仮に民間事業者が追加投資を行う場合は,国の補助制度などの活用支援は積極的に行ってまいりたいと考えておりますけれども,市の公共施設整備としての追加の投資は考えておりません。
 以上でございます。

 施設の維持管理を含めて民間での運営を目指すこと,市としての追加投資はしないという御答弁をいただきました。さらに踏み込んで伺いたいのですが,将来的に0円での委託を目指すけれども,当面は委託費用が発生するわけです。言ってみれば,維持管理運営に十分な収入が得られない赤字経営です。民間で事業を始めようと思ったら,この損失ができるだけ生まれないようにすると同時に,損失額がどこまでだったら自分が背負えるのか,リスクを想定して事業計画を考えるものです。市としては,黒字になるまでの補助的な投資をどこまで許容範囲と考えているのでしょうか。また,いろんな可能性,ポテンシャルがあるというお話をいただいておりますが,もし黒字への転換が図れない場合,事業の成否を見きわめて撤退するという判断もあり得るのでしょうか。お伺いします。

<吉川進経済部長>

 
 再々質問をいただきました。
 高坂自然休養村の利活用に向けて取り組もうとしている現時点においては,官民一体となって自立した運営を目指してまいりたいと考えております。御質問の廃止か存続かの判断につきましては,その時点での施設の果たしている役割や社会情勢等を見た上で判断をすべきものと考えております。よろしくお願いいたします。

 公共施設のことですので,ここで撤退の可能性があるかどうかということは難しいのであろうと思いますが,ぜひビジネスベースとして成り立つのかどうかという見きわめをしっかりしていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いします。