令和元年 第6回定例会一般質問 地域経済循環について

令和元年第6回定例会(12月)で行った質問の議事録です。

地域経済循環について

 最後の質問,地域経済循環について伺います。
 1点目,産業連関表作成や家計調査など地域経済循環を高める施策を確実に行うための調査及び分析を市独自に行うべきではないかについてです。
 かねてより地域経済循環の重要性をしつこく申し上げてきているところです。産業と産業がお互いにどのように連関しているか,つながっているかを把握して見える化するための産業連関表は,国レベルや都道府県レベルでつくられてきていますが,地域で経済を回していく地域経済循環の戦略をつくるために市町村で作成する例が出てきています。どの産業がどの産業からどれくらい調達しているか,どういう産業の間でお金のやりとりがあるかがわかる。例えば,観光業に1万円入ると農業や林業などほかの業種にどれぐらいの波及効果があるかを計算することができるというものです。三原市内で使ってもらったお金がすぐに外へ漏れ出てしまっていないかどうか,三原市内で循環して経済効果を高めることができているかどうかを見ることができます。
 観光を産業の柱の一つにと掲げて観光政策を進めてこられ,第2次観光戦略プランで令和5年に向けて観光消費額70億円アップ,1人当たり観光消費額1,300円アップを目標とされ,基本戦略として地域が稼げる観光施策を推進することとされています。また,DMC設立の流れで地域商社機能をつくることも想定されています。現在進めておられる米粉の6次産業化では,素材づくりから商品化,販売まで一貫した取り組みを展開しておられ,経済循環を進めておられるものと捉えておりますが,これを数値として把握する必要があるのではないか,三原市の産業全体を把握する必要があるのではないかと考え,提案させていただくものです。いかがお考えでしょうか。
 もう一つの家計調査については,買い物動向調査,買い物傾向調査などの名目で各地で行われているもので,本市でも以前に行われているかもしれませんが,2つの目的を想定して実施を提案します。
 1つは,市内において,どういうものを地域の外で買っていて,どういうものを地域で買っているのか,どんな種類のお店で買っているのか,そこで買う理由などを明らかにすることで,中心市街地活性化の方策や新規事業の誘導に生かしていくことです。
 2つ目は,買い物という日常生活の行動を通じて,地域でお金を回すプレーヤーをふやしていくために,この調査のプロセスや調査の結果を市民の皆さんと共有して一緒に考えることです。
 常々申し上げていますが,行政ができることの限界をどう超えていくかが問われていると感じています。市民協働,市民総動,市民の皆さんのお力を一緒にしながらどうまちを維持していくのか,買い物という行動を通じた三原応援団をふやしていく方策と考え,提案いたします。いかがでしょうか。

<高橋龍二経済部長>

 
 御質問いただきました地域経済循環について,産業連関表作成や家計調査など地域経済循環を高める施策について確実に行うための調査及び分析を市独自に行うべきではないかについてお答えいたします。
 産業連関表は,対象となる地域内で1年間に行われた経済活動を財,サービスの取引関連として捉え,それを行列形式にまとめたもので,産業構造や産業部門間の関係など地域内経済の構造を把握できるものです。また,産業連関表から求められる各種の係数表を用いて経済波及効果の計測やシミュレーションを行うことができ,国,都道府県等が作成しており,当地域では本市を含めた6市2町で構成する備後圏域連携中枢都市圏において備後圏域産業連関表を作成しております。
 ただ,産業連関表は,国が実施する経済統計などで各業種の統計値をマクロ的に把握し,業種ごとの関連や産業全体への寄与度をはかり,結果としてそれぞれの業種の経済波及効果を算出,検証するということを目的として行う上では有効な調査と考えておりますが,三原市の産業全体をミクロ的に分析していくためには,多大な時間と労力が別途必要になります。例えば,農業や観光など市全体への経済の寄与度,影響が少ない中で,特定の業種をさらに細分化,また個別事例として調査,分析し,産業全体をシミュレーションすることは意味のある調査になりにくいと考えております。
 議員御指摘の事業につきましては,個別事業者等へのヒアリング調査などにより,その状況を把握できると考えており,業種間における経済波及効果の発生につなげていくための取り組みが重要であると考えております。
 次に,買い物に関する調査のプロセスや結果を市民と共有し,一緒に考えることにつきましては,市民個別の消費行動を把握し,市民協働,市民総動で経済施策に取り組むこととして重要であると認識しておりますが,やはりこちらも調査には多大な時間と労力が必要で,また調査の精度を上げる上で市民,あるいは事業者の御理解と御協力を得ることが前提となります。そのため市民参加の施策を実施するためには,例えば広島県が実施しておりますいわゆる「BUYひろしま」のような啓発活動で市民や事業者が積極的に地元産品を選択していくための,例えば「BUYみはら」運動などを啓発し,シビックプライドの醸成を通じ,市民の地元産品の販売を促すことや,三原市内への需要拡大に取り組むことが重要であると考えております。

 産業連関表の作成についての御答弁の最後におっしゃっていただいた事業間における経済波及効果の発生につなげていくための取り組みが重要であるという,これがまさに今回質問させていただいた意図するところでして,産業連関表の作成自体,分析自体が目的なわけではありません。個別事業者などへヒアリングや調査などによって把握できると考えておられるということなんですが,現在既に把握をされて経済効果,波及効果につなげておられる現状なのでしょうか,お尋ねします。
 家計調査,買い物動向調査についても,目指すところは,思いは同じであると御答弁を受けとめました。課題は,目指すところにたどり着くための道のりです。御答弁いただいたような啓発ですと,一方通行の状態になりがちですので,市民の皆さんと現状を共有して一緒に考えていただくステップが必要ではないかと考えております。全市的な精度の高い調査が難しくても,イベントや会合などでアンケート調査から取りかかってもよいと思っております。平成27年9月の一般質問でも取り上げました地域経済分析システム,RESASですけれども,地域経済循環マップのデータが2010年,13年のものしか公開されておりませんので,現状というわけにはいかないんですけれども,国内総生産,県内総生産の地域版と言われる地域内総生産,いわゆるGRPは2010年,3,927億円が2013年で3,309億円,地域経済循環率2010年,95.2%が2013年,90.4%と下がっています。新しいデータ更新時には改善されていることを願っております。
 家計にも産業にも共通することですが,全てを市内で賄うことはできないとしても,一つ一つの影響額は小さいとしても,市内で消費されているのに市内に供給されていないものを市内でつくる,いわゆる地消地産を生み出す手だてや,逆に三原市内で供給しているのに市内で消費されていないものを明らかにしてうまくつないでいく,そんなことが必要であると考えております。再質問しますので,よろしくお願いいたします。

<高橋龍二経済部長>

 
 再質問をいただきました1点目,個別事業者等へのヒアリングや調査などによって,現在既に把握をされて経済効果,経済波及効果につなげている現状かにつきましてお答えいたします。
 例えば,議員が事例で上げていたような米粉の6次産業化の取り組みで申しますと,米粉用米の生産額,そして中間生産としての増田製粉株式会社での例えば米粉加工後の販売額,さらにその米粉を活用し,株式会社おこめん工房など米粉を活用した食品製造業者の販売額,さらにそうしたものを使って株式会社フレスタ等で総菜加工された販売額などは,これはリアルに生産者とか利用者等への聞き取りで把握できるものです。こうした6次産業化を推進する施策の取り組みは,他産業を含め付加価値や波及効果が得られる取り組みとして大変有効と考えておりますので,そうした施策の効果検証や新たな施策の検討につなげていくことができると考えております。
 再質問2点目のイベントや会合などでのアンケート調査から取りかかってもよいと思っているがいかがかとのことと,それから平成27年9月の地域経済分析システム等のことにつきましては,イベントとかそういった会合でのアンケートなり,あるいはマクロ的な分析システムなので,先ほどの答弁のとおり有効な調査にはなりにくいと考えております。
 これまでにも市においては,例えばイオン等市内の量販店での購買内容,あるいは購買傾向などはWAONカードの取り組みをこれまで行ってきたことから,データ提供等の協力が得られることや,平成27年に実施した備後圏での産業連関表作成の際,消費動向調査もあわせて実施しておりますので,同様に市民の購買内容や購買傾向などは一定のデータ把握が可能となっております。しかしながら,それが地場産品の購入かどうかは把握が非常に困難であることや,産業連関につなげていくためには生産から消費までが三原市内で行える取り組みとして振興することが必要と考えております。そのためには消費者や販売事業者が地場産品であることを認識する必要があるということで,例えば商品へのマークの付与,あるいは認証制度などの制度設計ということを伴うことや,あるいはそれをインターネット等の情報発信などの体制を整備する必要があります。さらに,それを購買行動につなげていくためには,やはり「BUYみはら」などの啓発活動を積み上げていくなど,計画的かつ継続的に息の長い取り組みとして制度を考える必要があると考えております。
 今後はシビックプライドの取り組みにこうした地場産品の情報や地場産品を積極的に購入することを加えていくことで,施策の効果検証や新たな施策の検討につなげていくことができると考えております。

 現在の取り組みや課題についてお示しいただきました。今回質問するに当たってですけれども,現在の状況,商工費を決算カードから拾うと合併時,平成17年から平成24年までは12億円から15億円で推移しておりますが,平成25年17億円,その後,築城450年などもあって平成28年が24億円,平成30年の決算で18億円ということになっております。こういうふうに上がってきている中で,効果的な商工政策として効果的な手が打てているのかどうかというのは,これまでにも議会から観光を産業の一つにということでやっておりますが,本当に効果がきちんとあらわれているのか,観光だけではなくって起業促進にしても補助をしているものがきちんと経済効果につながっているのか,マル経融資制度の小規模事業者経営改善につながっているのかなどなど,議会からさまざまな指摘が出ているところであります。いろんな課題,こういうことを定量的に把握をしようと思うとさまざまな課題はあるんですけれども,何らかの定性的にであってもきちんと経済効果,経済波及効果というものを何らかの形で把握して,今後議会にお示しいただくような取り組みを考えて検討していただきたいと思っておりますが,その点についてお伺いいたします。

<高橋龍二経済部長>

 
 要は,具体的に経済波及効果をきちっと定量的に把握して,それを施策に反映させるということの取り組みをもっと進めていくという御質問というふうに考えております。いろいろな調査とか分析とか当然ございますけれども,例えば観光というと,飲食業としてのデータは統計であるんですけれども,それが観光でと言われると切り離せないとか,いろいろ分解とか分析とか,そういったところが難しいという意味で,通常のこうした経済統計の限界というところがあります。ただ,例えば今の観光消費額は,これは市のほうで目的をもってきちっと調査をしたものでございますので,当然そうした観光消費額という把握は自主的にデータを定量的に捉えることができる。先ほどの6次産業の例もそうですが,そうした自主的にちゃんと施策の効果が把握できるような定量的な調査を踏まえて施策に反映させていくということは,調査とか分析が目的ではなく,そうしたいろんな手段を活用しながら,当然我々もその経済波及効果を重要なことと捉えているので,例えば6次産業を進めるという形になって施策反映をさせていくものと考えておりますので,ちゃんとそうした検証を踏まえて施策を設計していくことで進めてまいるということが基本と考えております。よろしくお願いします。

 さまざまなデータも把握しながら戦略を立てているということです。三原市内に,だから資金を呼び込むというだけではなくて,その入ってきたお金がどれくらい地域で残っているのか,どれくらい地域で循環しているのかというところが本当に大事だと思っておりますので,さらなる取り組みをお願いして質問を終わります。