令和元年第6回定例会(12月)で行った質問の議事録です。
「気候非常事態宣言」について
議長の許可をいただき一般質問を行います。
1項目め,気候非常事態宣言についてです。
本市として宣言を行うことについて,情報収集の状況はいかがか。また,宣言を行うことを検討されているかです。
気候非常事態宣言について,9月議会でも質問させていただきました。気象災害を経験した本市として,世界各地の自治体で広がる気候非常事態宣言を行うべきではないかと質問いたしました。その際には余り前向きな,積極的なお答えはいただけず,情報収集を行うという御答弁でした。それから2カ月たっておりますけれども,情報収集の状況はいかがでしょうか。また,本市として宣言を行うことを検討されていますでしょうか,お伺いいたします。
<平岡雅男生活環境部長>
気候非常事態宣言について御質問をいただきました。
まず,情報収集についてですが,国内では気候非常事態宣言を2つの自治体が行っております。9月に長崎県壱岐市で市長提案を議会で議決をされ,また10月には神奈川県鎌倉市において議会発議により決議をされています。どちらの自治体の宣言も共通していることとして,今の気候が異常事態であることを市民へ周知すること,この非常事態を抑制する行動を起こすこと,日本政府や他の自治体と連携していくことなどがうたわれております。今後も情報収集に努めてまいります。
次に,宣言を行うことの検討についてですが,三原市は昨年策定した第2次三原市環境基本計画で持続可能な社会の実現を目指し,5つの環境目標を掲げました。その目標が実現できるよう,毎年度行動計画を作成し,PDCAサイクルにのっとり取り組みを行っております。三原市といたしましては,環境基本計画に基づき,まずはできることから取り組んでまいりたいと考えており,気候非常事態宣言を行うことについては現時点では考えておりません。
宣言を行うことは考えておられないということです。ちょうど現在,12月2日から13日にかけて国連気候変動枠組条約の締約国会議,いわゆるCOPの第25回が開かれております。そこでも日本は化石賞を受けるなど批判を受けているところです。日本と並んでといいますか,日本よりも悪い状態とも言えますが,パリ協定を離脱すると言っているアメリカ,トランプ大統領ですけれども,アメリカ合衆国においても州政府や各自治体,国民,企業などの全てが気候変動の対策に反対をしているわけではありません。気候変動対策を求める人たちがたくさんいます。その中の若い人たちの動きとして,足による投票,住みかえ,引っ越しをしようというキャンペーン,呼びかけまで起きるぐらいになっています。どういうことかといいますと,気候変動対策をきちんとやる自治体,州や都市に引っ越そうということです。先ほど正田議員の質問に対して,天満市長から人口減少対策は喫緊の課題であるという御答弁でした。今現在こういった気候変動や環境への取り組みということで住むまちを選ぶということが世界的に起きております。
日本での取り組みがどうかというと,日本は後ろ向きですけれども,日本国内でも若い人たちによるデモをしたりとか気候変動に対する取り組みを求めるキャンペーンが毎週金曜日に日本でも行われているところです。そういったことを考えたときに,三原として環境基本計画に基づいて取り組んでいるからいいということではなくて,気候非常事態宣言,まさに非常事態なんだということを述べた上で,さまざまな取り組みに協力を求めていくということのほうが,より多くの市民の皆さんの共感を得て,具体的な取り組みや行動をしていただけるのではないかと思います。ですので,環境基本計画に基づいてやっていますということではなくて,その環境基本計画に示していることを市民の皆さんに,市内の企業の皆さんに行動として動いていただくために,この気候非常事態宣言を行って市民の皆さんの協力を呼びかけるべきだと思いますが,その点についてお考えを再度伺いたいと思います。
<平岡雅男生活環境部長>
まずは,宣言を行って,それに基づいて,環境基本計画の行動をするべきではないかといった御質問だったと思います。重要なことは,宣言するかどうかということよりも,具体的な達成し得る行動計画を立て,それを着実に実行することであると考えております。環境基本計画においては,背景と目的において気候変動によるリスクを課題とし,その解決のために市民一人一人が環境に優しいライフスタイルへの転換を進め,市民,市民団体,事業者,三原市全ての主体が協働して環境への負荷の少ない持続可能な社会を築くことがこれまで以上に必要であるとしておりまして,5つの環境目標を設定し,具体的な行動計画を定め,実行し,検証し,改善を行うというPDCAサイクルにのっとり行っております。この宣言については,慎重に検討してまいりたいと思います。
1回目の御答弁で宣言をする考えはないということでしたが,2回目の御答弁で最後に慎重に検討をするということでしたので,全く否定するわけではなく,慎重に検討をという節がつきましたが,検討をしていただけるという理解でよろしいでしょうか。それから,これは,先ほども人口減少対策に絡めて説明もさせていただきましたが,市長に通告をしておりまして,市長にお答えいただきたいと思っております。先ほども申し上げたCOP25,国連気候変動枠組条約第25回締結国会議の開会式典で国連グテーレス事務総長が演説をされた際に,人類は気候変動による危機的状況に直面していて,降伏か希望のいずれかを選択しなければならないということをおっしゃいました。どういうことかというと,1つは降伏の道であり,私たちは地球上の全ての人の健康と安全を危険にさらす,もう戻れない地点をすぎてしまった。それから,地球が燃えている間に時間を浪費していた世代として記憶されたいのかという警鐘を鳴らされました。若い人たちだけではないですが,主に若い人たちがこの問題に関心を持ち,政府や大人に対して科学に基づいた判断をし,必要な政策を打ち出すようにということを言っています。
人口減少対策だとか三原市に若い人たちに住み続けてもらいたいというわけですけれども,私たちは,それ以前にこのまちが,日本が,地球が住めない場所になってしまったらどうやってここで生きていくんでしょうか,ということで,気候非常事態宣言は大変重要なことだと思っております。平岡部長から小さなことをこつこつと続けることでというのを前回の質問の御答弁でいただいたり,先ほども環境基本計画に基づいてPDCAを回しながら着実にという御答弁もありました。私,前回のときに具体的に削減策をまた提案をしていきたいということを申し上げました。この後の質問で,プラスチック問題に関連して三原市がつくっているペットボトルを廃止してはどうかという提案をさせていただくんですけれども,三原市でつくって三原市で消費している水道水のペットボトル約3,000本分をやめた場合,ペットボトルで飲む水と水道水の水とCO2排出量が数百倍から1,000倍違うということが研究者によって試算をされております。これをやめた場合に600キログラムCO2を削減することができます。この600キログラムということのインパクトなんですけれども,前回の質問でおっしゃっていただいた三原市役所から出している5,799トンという排出量から比べるとわずか0.01%にすぎません。ですけれども,御答弁でおっしゃったように,小さなことをこつこつ続けていく,これがまず大事です。その行政で取り組むことに指示をしていただき,フォロワーになっていただく,市がそこまで言ってやめるんだったら私たちもやらなきゃいけないよねって思っていただけるような効果的な発信としてこの気候非常事態宣言というものをやはりきちんと宣言をして,皆さんに対しても呼びかけていく。市がここまでするんだ,市民の皆さんにも一緒に頑張ってもらいたいということで宣言が必要だと思っております。
先ほど冒頭で確認をさせていただきましたが,宣言をする考えはないということから,慎重な検討をするということに答弁が変わったわけですけれども,検討されるということでよろしいのでしょうか,お尋ねいたします。
<平岡雅男生活環境部長>
再度宣言をするのはどうかといった質問でございます。
最初に申し上げたのは,現在,現時点では考えていないということで,2回目慎重にというのは同じ意味でございます。そして,今三原市としては,先ほど来申し上げますとおり,具体的な行動を起こしていくと,その施策を確実に進めていくことが重要であると考えております。
現在議員おっしゃられましたとおり,スペインで国連の会議COP25が開催をされ,地球温暖化対策についての協議をされています。そういったことも含めて,国や県,他の自治体の動向をしっかりと見ていきながら,今後判断してまいりたいと考えております。
現時点で考えていないというのと慎重に検討するは同じ意味だというのがちょっとよく理解ができませんが,市長にやはりお伺いしたいと思います。
昨年ちょうど12月議会でSDGs,持続可能な開発目標に取り組むべきであるということを提案させていただきました。まちづくり戦略検討会議をずっと開いておられますけれども,そこでもSDGsについて,まちづくり戦略検討会議の委員の方から,三原市が今シティプロモーションとして選ばれるまちということでの議論を進めているけれども,その選ばれるまちということの要素にSDGsへの取り組みを発信していくことがシティプロモーションとしては大事ではないかということをおっしゃっていました。私もまさしく人口減少対策であるとかシティプロモーションであるというときに,今,環境の要素というのは外せない問題になってきていると考えております。そういう点で市長に三原市として気候非常事態宣言をすることについて御見解を伺いたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
<山口秀充副市長>
気候非常事態宣言の取り組みについて,さまざまな角度から御意見を述べられたところでございますが,三原市といたしましても,地球温暖化に伴う気候変動によるリスクというのは当然認識をしておりまして,課題として捉えております。そうした中で,三原市ができることとして環境課題を再度見詰め直しながら,先ほど生活環境部長が答弁しましたように,昨年度に第2次の三原市環境基本計画を策定して市民と事業者等も一体となって環境政策に取り組んでいこうということを確認しているところでございます。そうしたことで,まずはその環境基本計画にある施策を確実に進めてまいりたいというところでありまして,この気候非常事態宣言につきましては,先ほども申しましたように,国や県,他の自治体の動向を見ながら判断をしていきたいと考えております。
私としては,他市の見本になるように早く取り組んでいただきたいという思いではありますが,どれくらいのほかの自治体が宣言をしたときに三原市が宣言をされるおつもりなのかわかりませんが,私としてはこの宣言を行うべきであるということを申し上げておきたいと思います。
日本国内では今はまだ2市のみが宣言していますが,世界的には先月末で1,180議会,それから23の国会で宣言をされていることを申し上げて,次の質問に入ります。