平成26年 第6回定例会一般質問 男女共同参画の推進について

H26年12月議会

平成26年第6回定例会(12月)本会議で行った質問の議事録です。

男女共同参画の推進について

 議長のお許しをいただきましたので、通告しております2項目について質問をさせていただきます。

 まず、男女共同参画の推進についてです。
今ちょうど新たな長期計画の策定に向けて課題を整理しておられるところと思いますけれども、男女共同参画の達成度をはかる指標としては掲げられております各種審議会等に占める女性の比率というのがありますけれども、これは今三原市としてどのように評価をされていらっしゃいますでしょうか。
また、その比率そのものが目的ではなく、これは女性も含め多様な視点から審議会などで意見を述べていただくことで、市政をよりよいものにすることが目的であると思います。ということでは審議会などにおいて、発言の機会が一部の人に偏ることなく、委員がそれぞれの立場から意見を述べやすいような環境を整えていただいているかどうかということもお伺いいたします。

 それから、男女共同参画の2点目、女性のための人材育成セミナーについてです。

 これは9月から10月、5週間にわたって開催されまして、私もこのたび参加をさせていただきました。こちらの人材育成セミナーですけれども、3回以上受講した参加者は市の審議会や委員会の女性委員登用候補者として登録するということになっております。ですが、これまでのところ実際に登用された例はないとのことですけれども、この理由についてはどう分析をしていらっしゃいますでしょうか。

 このセミナーの目的として男女共同参画について理解し、具体的な推進に向けて動くことのできる人材を育成することになっておりますけれども、今現在のセミナーの内容としてその人材育成が達成されてないという状況にあるのでしょうか、お考えをお伺いします。

<梶原正道生活環境部長>

男女共同参画について、2点ほど質問をいただきました。

 御質問1点目、各種審議会等への女性の参加についてお答えをいたします。
平成24年3月に策定しました第2次の三原市男女共同参画プランにおきまして、政策・方針決定過程への女性の参画促進を基本目標の一つとして掲げており、各種審議会における女性委員の割合を平成28年度に30%とする目標としております。年度別の達成状況は、平成23年度23.2%、平成24年度23.6%、平成25年度23.9%という状況であります。30%に到達したらそれでよしではなく、最終的な目標は女性の多様な意見を取り入れることであります。そのためには現在のプランに掲げております30%の目標の達成は必要でありますので、引き続き各種審議会等への女性の積極的な登用に努めてまいります。
 また、審議会等において意見を述べやすい環境を整えることは、審議会の内容を充実させる意味からも重要なことと認識しており、会議の発言が一部の人に偏ることのないよう、会議の事務局であります担当課を通じて、審議会の運営に配慮をしたいと考えております。

 次に、御質問2点目、女性のための人材育成セミナーについてお答えをいたします。
女性のための人材育成セミナーは、三原市男女共同参画プランに掲げている施策の一つとして平成24年度から実施しており、今年度で3期目が終了いたしました。このセミナーは男女共同参画について理解し、具体的な推進に向けて動くことができる人材を育成することを目的として、市内の20歳以上の女性を対象に連続した5回のセミナーを開催しているところであります。審議会等の女性委員候補者として登録の了解を得た修了生は、11月末現在17人であります。しかしながら、各種団体の役職者から委員を選任する傾向や関係課への周知不足等の理由により、登録者からの審議会委員等への登用は現在のところございません。事業開始から3年が経過し、一定の成果はあるものの人材育成の観点から不十分な点があるため、今後講座内容等の見直しをしてまいりたいと考えております。

女性審議委員の比率について御答弁をいただきました。

 三原市は、男女共同参画推進条例も制定済みとなっております。広島県内の平成26年4月1日現在、審議委員等での女性委員の比率というのが発表されておりますけれども、これはほかの推進条例を既に制定済みのところで見ますと、安芸高田市が36.7%、三次市が32.8%、広島市が29.8%、福山市が24.6%、呉市が23.1%、三原市がその中では最後で22.7%ということになっております。その後、ことし26年度の審議会などを見ておりますと、女性の方が多いのかなという印象も持っておりますので、この点は少し数字が27年度の初めには上がるのかもしれませんけれども、条例を制定している中では三原市は低いという状況になっております。
 
 そのような中で、審議会などへ登用をするための人材を育成しようということで、このセミナー、大変評価をさせていただいております。今現在17人の方が、実際に登用されることへの希望を持っておられながら、実際には登用されていないということは残念だと思っております。

 これについては、私は2つのハードルがあるのではないかというふうに感じておりまして、市民にとっては審議会などの委員になることへ遠慮の気持ちがあるのではないか、これは実際にほかの方へ聞いたところ、このたびの人材育成セミナー、連続講座を受けて、それで登録をするという気持ちになるところまでにはなれなかったという声も聞いております。それから、行政側のハードルとしては聴講のみの場合ですと、講座内容からどれくらい学び取っていただけたのかという部分がよくわからない。それから、積極的に発言していただける方なのかどうなのかということもわからないというような、2つの市民側のハードル、それから行政側のハードルがあるのではないかというふうに感じております。

 実際に17人の方が登録されておりながら、会の代表の方などに、今現在のところ登用が限定されているような状況というのは大変残念に思いますので、ぜひ積極的に登用していただく方向で考えていただきたいと思っております。

 そこで、提案なのですけれども、講座目的として男女共同参画の具体的な推進に向けて動くということについて、実際に講演会やセミナーの企画、運営、そして情報誌「with YOU」というのが今発行されておりますけれども、こういったセミナーの企画、運営、情報誌「with YOU」の編集などについて、そういった場を体験していただくような機会を受講者への次のステップアップとして提供していく必要があるのではないかということを提案させていただきたいと思います。これは受講者としてステップアップの機会になるというだけでなく、今現在セミナーの企画、運営、それから情報誌をつくる側にとってもフレッシュな感覚が加わることで、セミナーや情報誌の充実をより図るというメリットもあるものと思います。

 それから、セミナー自体の内容についても提案をさせていただきたいと思います。
今回、連続5週にわたる講座内容、それぞれすぐれた内容でありました。皆さん、大変勉強になったということもおっしゃっておられました。ですけれども、残念ながらそれは受け身での聴講というスタイルでした。これは聴講だけでということではなく、皆さん聞かれた内容をそれぞれどう受けとめられたのか、これは社会参加において感じるハードルや悩みというのは年齢や職業、個人の性格などによって、また結婚されてるか未婚か、子どもがいるかどうかなどによっても違ってきます。講座の目的の一つであります男女共同参画について理解するということは、講座内容を自分自身がどう受けとめたか、自分の言葉をほかの人へ伝えるというプロセス、そして自分とは異なる立場の人がどう受けとめたかを聞いて理解するというプロセスも必要ではないかと感じております。そして、こういったプロセスを経るという、このスキル、技術を学ぶということは審議会の委員になっていただく上でも必要なことだと感じております。

 それから、もう一点、委員会で意見を言いやすい状況になるように運営面での配慮をしていただいているということですけれども、これは男性、女性という性別によらず、やはり審議会などの場で発言になれていらっしゃる方、なれていない方がいらっしゃいます。それぞれの視点で、これは審議会など学識経験の方もいらっしゃれば、制度、仕組みを使っておられる方、その制度の利用者を支援されてる方、あるいは納税者という立場で参加をされている場合などいろいろあると思います。それが学識経験の方がすごい意見を言われてるから、自分は意見を言ってもいいのかなというように感じるということを聞くこともありますので、それはそれぞれの視点で意見を言っていただくことが期待されているのだということを各担当課から委員を依頼されるときに、そういったことをお伝えいただくことも必要ではないかと思っておりますので、その点についても再度御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

<梶原正道生活環境部長>

 男女共同参画の推進について、御提案を含め再質問をいただきました。
 議員仰せのとおり、男女共同参画の推進を妨げるハードルには当然ながら市民側のハードルと行政側のハードルがあるというふうに考えております。講演会やセミナーのことについてもいろいろとお話をいただきました。現在、講演会やセミナーの企画、運営は、ウィメンズネットワークにも御協力をいただいております。男女共同参画の実現のため、市民への情報提供をするための情報誌「with YOU」は編集委員を公募し、選任した4名の委員により編集、発行を行っております。来年度から発行回数をふやすことを検討しており、人材育成セミナーの修了者にも編集にかかわっていただくことは大変有意義であると考えております。今後検討させていただければというふうに思っております。また、修了者の方に対しても、ウィメンズネットワークへの参加等についても働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 それから、セミナーの関係でございますけれども、男女共同参画について御理解をされてない方も多いかというふうに考えております。そのため、男女共同参画の理解を深めていただくため、現在行っております講義形式だけではなく、議員仰せのように自分自身がどのように受けとめたかなどを討論できるグループ討論形式の導入なども、今後考えてまいりたいというふうに考えております。

 最後に、審議会ということについてでございますが、先ほど答弁させていただきましたように、審議会は多様な意見をいただく場でございます。委嘱の委員に対しても、審議会では専門的な意見だけが求められているのではなく、委員それぞれの立場や視点での積極的な発言を求めているということを、事務局であります担当課を通じて説明してまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いをいたします。

 前向きに御検討をいただけると理解をしております。せっかくこういった講座に意欲的に参加をされる方ですので、伺う声ではせっかく同じ場所に会して、それも5週連続、5回会うんですよね。せっかくなので、みんなで話をしたり、仲よくできる場になるとうれしいというような声も聞いております。アンケートはとられているわけですけれども、また今後内容について御検討いただけるということですので、受講修了者の方の意見もぜひまた聞いた上で御検討いただけたらと思います。

 女性の登用ということだけでなくて、多様性ということが今必要になってきております。今回5回の連続講座に参加させていただく中では、女性には限定されていたんですけれども、自営でマッサージなどされている方であったり、農業の方であったり、福祉関係の方であったり、いろんな方が参加されていて、話をするのも楽しい場でした。そういった自分がふだん生活しているのとは違う人たちの意見、講師の方の意見、お話はもちろん勉強になるんですけれども、ほかの方の意見を聞くというのもすごく貴重な場だったということと、少し自分が話せる機会があったらよかったという声なども聞いておりますので、そういったことも取り入れていただきたいと思っております。

 それから、市民側のハードルとして、審議会等の委員になることへの遠慮というのか、少し入りにくいものがあるということもお伝えしましたけれども、企業などにおいても傾向としては女性のほうが管理職への希望が少ないということもあるようです。これは管理職への希望は少ないものの、スキルアップへの意欲は女性もあるということもありまして、ステップアップの研修などで自信がついた後で、管理職への意欲というのが出てくるというのも、これは女性だけの傾向ではないかもしれませんけれども、そういったことも企業で言われているところでもありますので、ぜひステップアップのセミナーの企画、「with YOU」の編集などへのお声かけもお願いできたらと思います。

 それでは、これは要望として、次の質問をさせていただきます。